警察庁は4日、佐賀県警の科学捜査研究所で発覚したDNA型の不正鑑定について特別監察の最終結果を公表し、新たに110件の鑑定に不適切な取扱いが確認されたことを明らかにしました。

報告書によりますと、佐賀県警科学捜査研究所の元職員が単独で担当した鑑定などを調べた結果、DNA型鑑定239件で、不適切な取扱いが確認されたということです。

そのうち37件は適切に鑑定していれば容疑者が判明した可能性を否定できない「影響不明」となっています。

佐賀県警はこれまで、DNA型の不正鑑定は130件だったと公表していましたが、警察庁の特別監察により、新たに110件に不適切な取扱いが確認されました。

一方で、佐賀県警が不適切としていた130件のうち、1件は不正が認められなかったことも確認されました。

このため、元職員による不適切な取扱いが確認されたDNA型鑑定はあわせて239件となり、県警が不正とした件数より100件以上増える結果となりました。

不適切な取扱いの中には、実際には鑑定資料を使っていないにもかかわらず検査をしたように装ったケースやワークシートに事実と異なる日付などを記載したケース、別の鑑定資料のデータを流用したケースなどがありました。

今回確認された239件について、「本来、捜査対象とすべきでない人を捜査対象とした」「本来、拘束すべきでない人を拘束した」といったケースや、裁判への影響や行方不明者などの身元確認に支障が生じたものは無かったとしています。

元職員は不正をした理由について「仕事ができるように見せたかった」などと説明しているということです。

警察庁は新たに不正が110件確認されたことについて、「佐賀県警察における調査結果に不十分な点が認められた」とした上で、DNA型鑑定という専門性の高い分野での調査だったため、1つの県警だけで対応することには限界があったと分析しています。

警察庁は今後、都道府県警の科捜研に対する指導の強化や定期的な監査、不適切な事案が起きた場合の早期指導、専門家から意見を聞く仕組みを整え、都道府県警の垣根を越えた科捜研の機能集約について検討を進め、DNA型鑑定に対する国民の信頼回復を図る方針です。

警察庁の楠芳伸 長官は「警察庁として都道府県警と一体となり、この種の事案の絶無を期すべく対策を強化する」とコメントしています。

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