今年は3月16日(月)に岐阜、高知、甲府でソメイヨシノが開花、19日(木)には東京でも開花発表があった。
いつごろ見頃になるのか気になるところだが、桜開花から満開までの期間は、統計的に北日本で短くなっている。
地域別のおおまかな日数は、九州~関東が8日前後、北陸と東北で4日~5日、北海道は3日~4日である。
北海道では「開花当日に満開」も
一般的には、桜が開花してから満開までは、気温が高くなるほど、そのスピードが速くなると言われている。
例えば、札幌は1977年と2012年は、桜が開花した翌日に満開となっている。
1977年は開花当日から3日連続の夏日、2012年は開花前日と当日が夏日と、札幌としては異常なほどの高温だった。
同じ北海道の旭川では、2012年は5月2日の午前中に開花、午後に満開の発表があり、 1953年の統計開始以来、全国で初めて開花と満開が同日となった。
旭川の最高気温は、開花前日が27.1℃、当日が25.1℃と、2日連続で7月並みであった。
鹿児島では18日かかって満開も
3月に記録的に暖かい日や、夏日になるような年は九州~関東でもあるため、それらの地域も北海道並みに速くでも良いはずだが、現実はそうではない。なぜだろうか?
温暖なイメージの鹿児島を例にすると、開花から満開の日数は、20世紀(1953年~2000年の平均)が7.52日、21世紀(2001年~2025年の平均)が11.00日である。
2020年は、4月1日に開花、4月19日に満開と、18日もかかっている。
実は、“満開のスピード”にはもう一つ、開花よりもっと前のあることが大きく関わっている。
冬“しっかり冷える”とスピードアップ
桜は、夏になると翌春に向けて花芽を形成し、冬に入る前に、厳しい寒さから身を守るため「休眠」という状態に入る。
この休眠状態を打破するためには、一定期間、低温にさらされることが必要だ。
同じ木の中では、冬にある程度の低温となるほど、花芽がほぼ同じ時期に休眠から目覚め、そのあと成長するため、 開花のタイミングも揃いやすく、満開までの期間も速くなる。だから冬によく冷える北海道など北の地域ほど“満開スピード”は早くなるというわけだ。
今年も、桜にとっては十分な冬の寒さだった北海道。予想開花日前後に高温となると、満開までの日数が再び記録的な速さになるかもしれない。
(執筆:日本気象協会・木村健一気象予報士)