3月8日は国際女性デー。国連が定めた、世界中でジェンダー平等について考える日だ。
この日を前に伊藤忠商事は、子育てをしながら働く社員のキャリア形成を継続的に支援する企業向け新サービス「そだキャリ+」を始めることを発表した。
3月5日、伊藤忠商事が発表した「そだキャリ+」は、子育て中の社員の“キャリアの地図”を描く伴走型の企業向けサービス。
一人ひとりに育児経験のある専属の「キャリアケアラー」が伴走し、完全1対1のオンラインセッションを中心に、グループワークやペアセッション(希望制)を組み合わせて子育てと仕事の両立を目指すという。
プロジェクトを率いる第8カンパニーの古賀弘子さんは、6歳と4歳の子どもを育てながら本サービスの開発に取り組んできた当事者だ。
子育てと仕事の両立が想像以上に厳しいと痛感した自身の経験と、「いまある課題を次の世代に残したくない」という思いから、制度だけでは届きにくい個々の不安の言語化や、相談の場の不足といった領域に向き合う伴走型の支援を設計した。
古賀さんは「何に不安か言葉にできず、一人で抱え込む人が多い。だからこそ、寄り添う対話で行動変容につなげたい」と説明する。
同サービスでは、キャリアケアラーとの1対1のセッションで価値観や不安を言語化し、グループセッションで視点を広げる。さらに希望者にはパートナー同席の“ペアセッション”で家事育児の分担や今後の働き方を夫婦で話し合うといい、個人・職場・家庭の三層すべてに同時に働きかける設計となっている。
実証フェーズの結果は…?
「そだキャリ+」は、こども家庭庁のライフデザイン支援事業に採択されている。
社内外8社・50名が参加した実証では、継続利用意向80%、行動変容80%、満足度91%などが示され、ライフデザインの明確化や将来不安の軽減が確認できたとしている。
先行導入した味の素株式会社の藤浪好子さんは、社内で約200人に行ったインタビューで、育児中の社員から「制度や職場理解があっても、両立には依然として苦労がある」という実態が見えたと、導入に至った背景を話した。
実際に社内モニター募集では想定定員の2倍の応募があり、ニーズの高さを実感したという。
トークセッション—共働き家庭の“言いづらい本音”
同日行われたトークセッションには、3児の母で小・中・高校生を育てる山口もえさんと、一男一女の父で思春期の子どもを持つ小籔千豊さんが登壇し、会場に寄せられた“共働き夫婦の悩み”をもとにトークが行われた。
会場に寄せられた「出張の多い夫に羨ましさを感じてしまう」「妻の昇進を誇りに思う一方、自分だけ置いていかれるようで不安」などの悩みに対し、山口さんは共感を示し、「文句ではなく“気持ち”として、伝え方を考えつつも言葉にすることが大事」と語った。
また小籔さんも「家族はチーム。誰かが前に出る時期があれば、誰かが支える時期がある」と述べ、家庭の形が違っても対話の積み重ねが大切だと強調した。
働き方改革の“次”として、制度だけでは届きにくい個々の不安や葛藤に寄り添うのが狙いだというこのサービス。女性も男性も子育てしながら働くことに希望が持てる社会が来ることが加速しそうだ。
