最も寒さが厳しい厳冬期、山ではこの時期ならではの自然の造形美を見ることができる。福井・大野市にある銀杏峰(標高1440m)もたっぷりと雪をたくわえ白銀に染まっている。冬の銀杏峰をガイドに案内してもらった。
地元のガイドと安全に配慮し登山スタート
大野市内にある越前大野城から車で15分のところに銀杏峰の登山口、宝慶寺いこいの森(標高約400m)がある。※現在は運営管理上の問題で閉鎖中
地元の山をガイドする笠松健男ガイドと合流し登山開始。
木立の中を、雪を踏みしめ登る事一時間、立派な枝ぶりの「仁王の松」が現れた。
徐々に雪深くなる中、さらに登っていくと、難所「前山の急登」に差し掛かった。標高1150メートルの前山に通じる最後の登り坂だ。
“難所”を経て前山に到着
登り始めて2時間後、ようやく前山に到着。
この日はあいにくの空模様で、遠くの山々までは見渡せなかったが、市街地を望める。
呼吸を整え、山頂に向けて出発。
辺りの木々は徐々に白く色づき始めた。空気中の水蒸気などが枝に付いて凍る「霧氷」がびっしり。
スノーモンスターが出迎える
樹林帯を抜けるとなだらかな「極楽平」に出た。
晴れれば、遠くに山々、眼下に大野の市街地が広がる景色が待っているのだが…
やはり今回は霧が立ち込め、辺りは真っ白だった。
道中、樹木が雪と氷に覆われてできた「スノーモンスター」が出迎える。冬の厳しい環境が生み出す自然の造形美だ。
出発から3時間、山頂に到着。
強風が吹き付け、雪も降ってきた。視界は真っ白、完全にホワイトアウトだ。
山頂に設置された看板には立派な“エビのしっぽ”が付いていた。空中の水分が氷となって張り付き、風の方向に伸びて形作られる冬山ならではの造形美だ。
冬の厳しい環境が生み出す水墨画のような景色。静寂の世界が広がっていた。
冬山登山の注意点
平地では春を感じる気温でも、標高が高い山では稜線に近づくと風も強まり体感温度はぐっと下がる。2月7日には、大野市の百名山・荒島岳でも遭難が発生し男性1人が死亡した。
山岳ガイドは、冬山に登る際は次のように注意を呼び掛けている。
▼防寒対策は万全に
▼十分な装備や登山計画
▼天候予測などは慎重かつ綿密に行う
▼単独登山は避ける
自分の命を守るのは、適切で冷静な判断。決して無理はせず、登る際は安全第一で。
