長引く大規模停電で募る住民の不安…“音信不通の街”千葉県鋸南町を取材

カテゴリ:国内

  • 停電から5日目も9割超の世帯で停電が続く千葉県鋸南町を取材
  • 通信手段が途絶え孤立する住民から不安の声 新たな断水も
  • 「内閣構造に関心を寄せすぎた」専門家は行政の対応の遅さを指摘

千葉県を中心とした大規模停電は9月13日で5日目となるが、千葉県鋸南町では今もなお全世帯の9割以上が停電している。

道路には、消えた信号や根元から折れて「くの字」に曲がった電柱があり、住民からは「望むことってもう…考えられないね。何を望んだらいいか」という悲痛な声が聞かれた。

すべての通信手段を奪われた台風の被災地で、電力復旧が遅れている現状と孤立した住民たちの思いを取材した。

テレビ・電話・ネット使えず 新たな断水も

情報が伝わらない理由の1つは、通信手段が途絶えたこと。多くの住民が、携帯電話がつながらないことを訴えた。

住民A:
携帯はほぼ圏外の状態。

住民B:
東京にいる娘も心配して、連絡が取れないからどうなっちゃってるんだろうって。

住民C:

ネットで何かを調べるとかそういうこともできないですし、まったく情報がないですね。正直、ちょっと困りますよね。

12日に停電中の千葉県の鋸南町を取材していると、基地局がダウンした際に稼働する携帯電話各社の「簡易基地局」が設置されていた。

携帯電話などの基地局は電源がないと機能しないため、停電した状態では使えない。簡易基地局も台数が限られているため、広範囲をカバーしきれないのが現状だ。

これは12日午前、南房総市で貼り出された電波の通信状況。市役所のある富浦地区は多くの回線が通じているのに対し、離れた和田地区は、携帯電話各社はおろか固定電話も全くつながらない状態になっていた。

そこで、めざましテレビ取材班は、孤立しているとみられる和田地区へ向かった。

和田地区へ入ると、携帯電話の画面に「圏外」の2文字が表示され、公衆電話を利用しようとお金を投入してもツーという発信音はなく、通信手段が断たれてしまっていた。
こうした状況に、住民たちは途方に暮れれいた。

住民D:
メールするけど、メールもなかなかつながらないじゃないですか。だから情報が全然わからない。

ドコモ・au・ソフトバンク3社の通信障害が起きているエリアを示した地図を見ると、いずれも千葉県内を中心に大規模な障害が起きていることがわかる。

さらに、固定電話サービスを提供するNTT東日本も12日午後2時時点で、アナログ電話など約3万1000回線が利用できない状態だと発表。

その背景にあるのが、復旧しない電気だ。

電気が使えないため、テレビなどで情報収集ができないばかりか、公衆電話も含めて固定電話が使えない状態に。
鋸南町の住民は、「停電でテレビも何も映らないから。ラジオだけが頼みの綱でやっていたんですけど…」と話す。

復旧が遅れた理由について、東京電力は12日午前9時すぎの会見で、「倒木が非常に多くて、そこまで設備の損害状況が把握ができない」と説明した。
また、千葉県各地で11日に激しい雷雨が発生し、作業が中断するなどしたため、さらに遅れが生じたという。

東電は他社から応援を受け、約1万1000人態勢で復旧作業ににあたっているが、復旧予定が大幅にずれ込んでいることを謝罪した。

千葉県では、13日午前5時時点で約20万2600戸で停電が続いている。

また、長引く停電の影響で、新たに断水になる家庭が増えている。

水道は、浄水場から電気を使って山の上などにくみ上げた水を貯め、一般家庭に供給している。
今回の停電を受け、ポンプの稼働を自家発電に切り替えたが、電力が弱いためくみ上げる水の量が少なく、新たな断水が発生してしまうのだという。

行政の対応遅く情報不足に 安倍首相「対応に全力を」

長引く大規模停電に住民が不安を訴える中、12日午後8時ごろに南房総市である家を取材していると…

住民E:
あっ、つきました!つきましたよ!!やっと入りました!よかった~

実に4日ぶりに電気が復旧。住民の女性は、照明と扇風機がつくことを確認して安堵した。

一方、千葉県の森田健作県知事は12日午前、対応の遅れについて「足りなかった部分もあるかもしれません。これを大きな反省材料として、やっていかなければならないと思っています」と謝罪。

専門家も、今回は行政の対応の遅さが目立つと指摘している。

政治アナリスト 伊藤惇夫氏:
国会議員の皆さんが内閣改造と役員人事に関心を寄せすぎていたのかなという感じはありますね。県の対応も果たして的確だったのか、疑問が残ります。

内閣改造から一夜明けた12日、安倍首相は新閣僚に台風被害への対応を急ぐよう求めた。

安倍晋三首相:
台風災害からの復旧、待ったなしであります。直ちに現場現場で、持ち場持ち場で、全力を尽くしてもらいたいと思っています。

また、菅官房長官は停電が長引いていることについて、「今は何よりも一刻も早い復旧が重要である」として次のように述べた。

菅義偉官房長官:
今回の停電や復旧プロセスについて、厳格に検証を行った上で、正していくところは正していく必要があると思っています。

一方、千葉市の熊谷俊人市長は、断水が続く中で養護学校の生徒が水浴びしていることに「災害の中、不謹慎」との苦情があったことに対し、「不謹慎と思う方もいるかもしれませんが、自粛しても意味がありません。心を寄せて頂いた上で、自粛はご遠慮下さい」と自身のツイッター上で訴えた。

一刻も早い電力の全面復旧が待たれる。

(「めざましテレビ」9月13日放送分より)

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