農産物に込めた「ストーリー」 “農産物サイト”で消費者も共有

カテゴリ:国内

  • ユーザーは事前登録で、生産者とつながる
  • 生産・出荷までのこだわりの「ストーリー」を共有
  • 他業種との連携など新たな取り組みも

生産者とユーザーがつながる「農産物サイト」

「OWNERS」は、こだわりの食材を作る全国の生産者が参加する、農業・水産・加工品販売のプラットフォームサイト。

希少性のある農産物などを作る生産者に対して、ユーザーが生産段階から予約注文し、最もおいしいタイミングでユーザーに直接食材が届く仕組み。農作物の栽培中に生産者とユーザーがコミュニケーションを行うこともできる。

プラットフォームには「OWNERS」が厳選した約100の生産者が参加、年間100以上のプランが提供されている。例えば、青森・平川市で「釈迦のりんご園」を営む工藤峰之さんは、118年にわたってりんご園を経営する四代目。

最高のりんご作りのための、技術や品質への探究を続けている。どんな場所で、どんな思いを込めてりんごを作っているか、写真を交えた丁寧な説明がサイト上ではなされている。

このサービスが従来の農産物の販売サイトと異なるのは、商品を購入するユーザーが事前登録制である点。
事前登録にすることで、生産者は計画を立てて農産物を作ることが可能となり、価格決定権を持てるほか、ファンの確保につなげられる。
一方、消費者は、特別な食材を予約注文して、最もおいしい時期に直送してもらえるほか、生産者とのメッセージのやり取りで完成までのプロセスを楽しんだりすることができる。

このプラットフォームが力を入れているのが、双方のコミュニケーション。
今年9月にも、年会費制や月額制のプランも選択できるようにして「一次産業の食材の流通プラットフォーム」になることを目指す。
より深いコミュニケーションを図り、ユーザーとの関係性構築を大切にする。生産者とメッセージをやり取りし、生産にまつわるストーリーを共有、顔の見える間柄で「おいしい」とユーザーから伝えられることが、生産意欲につながるという。

不動産業との連携など、新たな仕組み作り

サービスを展開するのは「ukka」という社員9人のスタートアップ企業。
会社のミッションは「100年後に続く食と農のあるべき形を創る」だと話すのは、代表取締役の谷川佳さん。
生産者と消費者をつなぎ、その人、その地域でしか作れない食材に付加価値をつけて流通させ、作り手のファンを増やしている。

農業が「大規模、低コスト型」と「小規模、高付加価値型」に二極化する中、生産者がSNSなどのツールを駆使して販路を広げているケースはまだ一部と言われている。
「OWNERS」は、ECでの販路拡大に着手できていなかった生産者にも手を差し伸べたいとしている。

不動産ディベロッパーと連携して、マンションで住民が食材を共同購入する仕組みや、敷地で住民対象のマルシェを開催する取り組みなど、農作物の生産者と消費者を「ストーリー」でつなぐサービスを本格展開する予定で、今後の動向が注目される。

【執筆;フジテレビ 経済部デスク 西村昌樹】