涼しさ独り占め!内側ヒンヤリの傘が登場

夏が近付き、じわじわと暑くなってきた今日この頃。
猛暑になった時に備えて、すでに日焼け止めにサングラスと、暑さや紫外線への対策グッズを揃えている人も多いだろうが、そんな中、5月に東京都が発表したのが「かぶるタイプの傘」。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策として製作されたが、発表されるやいなやそのビジュアルのインパクトで話題をさらっていった。

今「暑さ対策」と聞くと、この「かぶる傘」を想像する人が多いだろうが、もう一つ、画期的な傘が登場した。

それが、傘なのに水を浴びる日傘…だ。


この記事の画像(7枚)

5月27日に発売されたサンコー株式会社の「ミストシャワー付き ファンブレラ」は、日傘・扇風機・ミストシャワーを合体させたアイテム。

開いた傘の上部にファンが取り付けられていて、持ち手についているボタンを押すと頭上から涼しい風を送ってくれる。

また、持ち手の下にはペットボトルが取り付けられるようになっていて、水の入ったペットボトルを装着すると、手元のボタンで1プッシュずつミストを降らせることが可能。

さらに、ファンが回った状態でミストを噴射すれば、風で拡散されたミストが全身に降り注ぎ、暑さにほてった体をより効果的にクールダウンさせてくれるのだ。

気化熱を利用して周辺の温度を下げる、ミストシャワー。
テーマパークや街中などに設置されているものを見たことがある人も多いだろうが、東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策としても「ミスト冷却装置」の設置が予定されている。

本来「濡れないため」のアイテムである傘で水を浴びる…というのは不思議な感覚だが、日光を遮りながら、扇風機とミストシャワーという“合わせ技”は暑さ対策には抜群で気持ちよさそう。

このアイテムの登場に、SNSでは「これは笑える」「夏に最高、めっちゃ欲しい」など、興味津々の声が続々。
中には「このデザインなら“日傘男子”も恥ずかしくないかも」と、外側から見ると普通の傘と変わらないデザインを支持する声も挙がっていた。


画期的なアイテムだが、商品紹介を見ていると色々と気になる点も。
まず、装着できるペットボトルが「サントリー 南アルプスの天然水」のみ適合しているということ、さらに、片手で持つには重すぎると思われる2リットルペットボトルにも対応しているということ。
さらに、動画ではミストを噴射するたびに傘の内側を水滴がタラタラ…と伝い落ちていく様子が。

傘の内側がビショビショ?
傘の内側がビショビショ?

上質なミストシャワーへのこだわりが、ミネラルウォーター限定ということなのだろうか?2リットルペットボトルはどんなシチュエーションで使えばいいいのか?

「ファンブレラ」の少々不思議な商品仕様について、サンコーに詳しくお話を聞いてみた。

2リットルのミストは「大量に浴びたい時に…」

――「ファンブレラ」販売のきっかけは?

過去に、扇風機内蔵の傘を発売しており、夏の暑さ対策に効果的で非常に好調だった為、扇風機だけでなくミストを噴射して、体感温度を下げられるミストシャワー機能を付けたものとして発売致しました。


――「南アルプスの天然水」にのみ対応しているのは、何か理由が?

中国での製造の過程で、ちょうど良いペットボトルの口径がたまたま日本の「南アルプスの天然水」に合致したためです。

ミストシャワーの水は飲むものではないので、水道水で問題ありません。コストもかかるので特段ミネラルウォーターでの使用を推奨しているわけではありません。お好みでお使いいただければ幸いです。

パッと見では、ペットボトルを持っているようにも?
パッと見では、ペットボトルを持っているようにも?

今回発売する「ミストシャワー付きファンブレラ」は、サンコーが過去に販売していた、ファン付きの傘「ファンブレラ」の進化形。
「ファンブレラ」は公式オンラインショップで完売するほどの人気商品となったが、さらに涼しさを追求する形で復活したのだという。

そして、気になっていた「南アルプスの天然水」限定仕様は、特別「ミストシャワーに最高の水」ということではない模様。
たまたまピッタリだったということで、これ以外のペットボトルを装着したいときは、口にビニールテープを巻くなどして大きさを調節すれば問題なく使用可能とのことだ。

――うっかりビショビショになってしまうことはない?

ミストを噴射する為、連続で大量に噴射した場合、温度が低く蒸発しにくい場合などは髪や服が濡れる場合もあります。

――では、2リットルのミストを使うシチュエーションはどんなものがある?

かなりの重さになりますので、2リットルの場合は力持ちの方が大量にミストを浴びたいときぐらいかなと思います。


「力持ちの人が大量にミストを浴びる」という謎のシチュエーションが飛び出してしまったが、基本的には1プッシュずつミストを出すことができるので、一気にビショビショになってしまうということはなさそうだ。
ただし、水がすぐに蒸発しないようなムシムシとした日の使用や、眼鏡をかけている人は注意が必要かもしれない。

――夏に向けて、どんな場面で使ってほしい?

運動会やゴルフ観戦、スポーツ観戦、アウトドアなどのイベント時だけでなく、日常の買い物や移動などにもご活用していただけると嬉しいです。ペットボトルは気軽に外で手に入るものなので、ぬるくなったら冷たいものに変えていただくと、より涼しく感じられます。


気になる価格は5,980円(税込)で日傘だけでなく雨傘としても使用可能とのこと。

話題の「かぶる傘」とどちらが…というわけではないが、どんなイベントや場面に持っていっても、普通の傘のように溶け込めるのは「ファンブレラ」の利点のはず。
熱中症対策が必須になる季節が近付いているが、今年の夏はこんなアイデア商品で涼しさを独り占めしてみてはいかがだろうか?

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。