高齢化が進む日本ですが、高齢者の生活を支える介護福祉士は深刻な人手不足が続いています。
そこで重要なのが外国人の介護福祉士ですが気になることが分かりました。

13日のテーマは「特例…国家試験不合格でもOK?」ソレってどうなの?です。

介護福祉士は高齢者の日常生活や相談相手など、状況に応じた介護サービスを提供する介護のスペシャリストです。

2017年度以降、介護福祉士の資格を得るには国家試験に合格することが必要になりました。

しかし、経過措置として養成施設を卒業した人は特例で不合格でも5年間は介護福祉士として登録OK。
また、それ以降も介護現場で働き続ければ引き続き介護福祉士として働けます。

介護施設では資格を持っていない人でも働けます。
街の人に特例措置で介護福祉士として働くことについて聞いてみると「資格がなくても現場で実務を学んでもらい、従事してもらえればいい。人材不足はあると思うので」「まず実践してもらって働いてもらいたい。試験受かった人は給料よくして、受からない人はそれなりの給料に。そうすれば頑張って来年受けようとなるもでは」といった声が聞かれました。

社会福祉振興・試験センターによれば、特例の適用者数は日本人、外国人を含め昨年度までで累計8033人に上ります。

日本介護福祉士養成施設協会の調査では、23年度までの7年間に養成施設を卒業した外国人留学生は8346人。

そのうち、卒業時に国家資格に合格したのは3284人。
残る5000人超が特例措置の対象でした。

国家資格を持っていない外国人が介護施設で働いている状況には「日本語もしゃべれて、教育を受けてこないと難しい。介護の現場が追いついてない、切迫したところはあるが難しい。介護の質が落ちたり、ホーム内で問題が起きたら本末転倒」という声も上がっているようです。

「イット!」は介護施設で働く特例措置を受けている外国人を取材しました。

8年前にネパールから日本にやってきたナビナさん。
養成学校を卒業したあと国家試験に落ちたため現在、特例措置で介護福祉士として働いています。

ケシ ナビナさん:
小さい時からおじさんとおばさんと一緒に住んで、ネパールでは介護の仕事がない。日本で働きたいと思って。

国家試験に落ちた外国人が介護することに一部で不安の声があることについてナビナさんは「試験に不合格でも、介護の勉強は2年間したので働くことができます。介護の漢字はすごく難しい漢字いっぱいあるし、すごい勉強しても落ちることがある。今後も介護福祉士の資格があってもなくても、ずっと日本で介護で働きたい」と話します。

では実際に介護を受けている人はどう感じているのでしょうか?

介護を受けている人:
素晴らしい方です。初めてですこういう方。丁寧なところと話しやすいところ。自分隠さないところが素晴らしい。

ナビナさんが働く会社の代表は試験に不合格でも働ける状況について…。

撫し子株式会社・加藤英樹代表:
一言で言うと賛成の立場です。もちろん試験に受かる事はすごく重要だが、それ以上にこの世界に必要な人柄と人間力が築かれることの方が現場では大切。現場として外国籍の方が非常に良い働き方をしている現実を毎年見ている。(資格の有無で)給料の面は差を設けてない。

厚生労働省は「特例措置は26年度末の卒業生まで。各団体から、措置の延長・廃止どちらの意見ももらっているので専門委員会で検討を進めたい」ということです。

東洋大学・高野龍昭教授は、国家資格が必要な職業にもかかわらず特例措置があることについて「専門的な養成課程を修了した上で、国家試験を合格することを最低限の要件としなければ、社会的信頼もこれから得られなくなる。(介護福祉士の)処遇や社会的信頼感が引き上がれば、裾野に入ってくる人たちもこれから増えるだろう」と話しています。

日本が高齢化する中で人手不足も進んでいます。
今後、介護福祉業界はどうなっていくのでしょうか?

フジテレビ
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社会部
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