いつ誰が標的になってもおかしくない連続強盗。
その犯行エリアが列島の広範囲に及んでいることが、徐々に明らかになってきた。

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東京・狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が殺害された強盗殺人事件。

現場近くの防犯カメラは、大塩さんが殺害された日の午後1時ごろ、犯行に使われたとみられる白い車が走り去る様子をとらえていた。

白い車はその後、現場近くのコインパーキングに乗り捨てられていたという。

白い車の目撃者:
覆面パトカーが止まっていて、ずっとパーキングを見張っているような感じだったので(白い車に気付いた)。

警視庁は犯行に使われたとみられるレンタカー2台を押収。
うち1台からは所持品が見つかっている。

他の強盗事件との接点が…同一グループの犯行か

2022年から年明けにかけ、相次いでいる強盗・窃盗事件。
大がかりな連続強盗グループの輪郭が浮かび上がりつつある。

12月5日、東京・中野区の住宅に男ら数人が押し入り、現金約3000万円を奪い逃走した事件。
現場付近では犯行グループの1人が緊急逮捕されている。

逮捕の瞬間をとらえた映像では、周囲には奪った札束の一部が散乱し、警察が押収した札束を袋に詰めて車に運び込んでいた。

逮捕現場の目撃者:
500~600万円はあったと思います。

この事件で1月21日に逮捕されたのが、永田陸人容疑者(21)。
永田容疑者のスマートフォンには「狛江市」と記されたメッセージが残っていたという。

永田陸人容疑者(21)
永田陸人容疑者(21)

さらに、千葉・大網白里市で発生した強盗事件で逮捕された自衛官の携帯にも、狛江市の事件についての情報が残されており、これらの3つの事件に何らかの関連があることが判明。

その後の取材で、中野区の事件の犯行グループが、2022年に発生した東京・稲城市の強盗事件、山口・岩国市と広島市西区の住宅で起きた強盗事件にも関与している可能性があることが分かった。

事件の裏に“指示役”“闇バイト”の存在

全国の広い範囲で起きたその他の強盗事件も、同一の犯行グループによるものだった可能性が浮上。
栃木・足利市で起きた事件の被害者が証言するのは、実行犯を操る“指示役”の存在だ。

栃木・足利市の事件の被害男性:
犯人が携帯を持っていて、そこから何か指示を受けて「しゃべらなかったら殴っていいよ」みたいな指示とか。


また、フジテレビの平松秀敏解説委員は、実行役集めのカギとなっている“闇バイト”の存在を指摘している。

平松秀敏解説委員:
SNSを通じて、例えば“高収入”とか“即日払い”とか、そういう文言で(募集して)“闇バイト”を通じて犯罪グループに加担した人物は、指示役から「テレグラム」を利用するように指示される。

犯行グループはやり取りした履歴が残らない「テレグラム」というアプリを悪用。
狙いを定めた資産家の自宅などについての情報を共有しているとみられている。

平松秀敏解説委員:
要は実行犯から上、指示役だとかリーダーだとか、黒幕まで捜査の手が伸びないという利点がある。(高齢者を狙う)特殊詐欺事件が起きているように強盗事件が起きているとしたら、いつ自分の身に降りかかってもおかしくないというのは間違ってはいない。

警視庁は組織的なグループの犯行が西日本にも及んでいたとみて関連を調べている。

(「イット!」1月23日放送分より)