ホテルの予約から食事まで、慣れない土地で難関大学を目指す受験生を至れり尽くせりでサポートします。
午前6時、東京都内のビジネスホテルで、白いベンチコート姿の人たちがロビーに大勢集まっていました。
全員、学習塾の講師やスタッフで、ホテルから受験生に同行し、会場まで見送ります。
この日行われていたのは、京都に拠点を置く医学部専門の予備校の遠征受験をサポートするプログラムです。
京都医塾・清家二郎塾長:
医学部の受験、特に私立大学の医学部は31校。全国いろいろなところに試験会場があり、生徒たちはそれを複数校、転々としながら受験をしていく。生徒と保護者の受験に対する準備、勉強以外の準備の部分で負担がすごく大きくなる。
「ホテルがとれない」「交通トラブル」「体調不良」など、受験時には毎年様々なトラブルがつきまといます。
2026年からは、共通テストで顔写真付きの身分証が必要になるなど、忘れ物リスクも増えています。
医学部受験は泊まり込みで複数の大学を受けることも多く、この予備校は10年ほど前から遠征受験の支援を開始。
その1日を取材してみると、宿泊先や食事の手配はもちろん、不慣れな土地での移動や送迎のサポートに、試験が終わったあと生徒が落ち着いて勉強できる環境の確保。
試験のフィードバックやメンタルケア・健康面の管理をするなど、まさにフルサポート至れり尽くせりです。
参加する生徒は「(去年は)親と自分で受験も何も分からない状況。ホテルから何から移動手段から、自分たちでやっていくのも結構時間のロスがすごくて。試験を受けるとなると怖い、不安になるし」「サポートがあるおかげで行き帰りも勉強できるし、受験期間中にも賢くなれるのはとてもメリット。孤独感をあまり感じない点で心の面での支えになっている」と話しました。
試験対策にとどまらず、サービスが拡大する受験市場。
背景には業界を取り巻く危機感があります。
帝国データバンクによると、2025年1年間で倒産した学習塾の数は46件で過去最多を記録。
そのうち、約9割が比較的「小規模」の学習塾でした。
大手以外が逆風の中で生き残るためには、学習面だけでなくサポート面など独自の強みを打ち出すことが鍵となっています。
人生の岐路に立つ受験生の挑戦を、“新たな価値”の創造に取り組む予備校の挑戦が支えています。