佐賀県沖の有明海でいま、摘み取りが行われている養殖ノリ。収穫のあと、どのように商品になるかを知っている方は少ないのではないでしょうか。“佐賀ノリ”が誕生するまでの漁業者の作業に密着しました。
12月19日、夜の有明海。
ノリのシーズン真っ最中のいま、海では連日摘み取りが行われています。
【岩部リポーター】
「夜10時の戸ヶ里漁港です。摘み取りを終えた船がいま帰ってきました」
船の底を見ると…収穫されたノリがぎっしり。
ここからは、いかに鮮度を落とさず「板ノリ」に加工できるかが重要です。
【岩部リポーター】
「摘み取られたノリはこちらのホースを通っていけすに集められ工場に直接送り込まれる仕組みとなっています」
港の近くにある、ノリを加工する工場。
地下を通って、摘み取ったばかりのノリが船から直接流し込まれます。
その後、製造過程で詰まらないよう海水と混ぜ合わせます。
付着したごみを取り除き、機械の中で細かく刻まれたノリは四角い型に流し、板ノリの形にしていきます。
このあと、スポンジで脱水し乾燥機へ。
さらに、一枚ずつ専用の選別機に通され異物や破れがあった場合には人の目で確認して仕分けします。
約3時間かけ、ようやく板ノリの完成です。
ノリが採れる時期は約4カ月。
この期間に1年分のノリを作るため、漁業者たちはこの時期休む間もなく作業に追われています。
【藤川直樹さん】
「この時期きつくはない。仕事だから。ノリがとれているなという感じがするから乾燥時期にあまり家に帰って布団にゆっくり寝たいとは思わない。乾燥機が回っているほうがうれしい」
県有明海漁協は、今シーズン、販売枚数14億枚販売額245億円を目標に4年ぶりの日本一を目指しています。
【藤川直樹さん】
「一番の思いは佐賀海苔として近年佐賀海苔のおいしさが届けられていなかったのでやっぱり佐賀海苔はおいしいなというのをもう一回認めてもらいたい」