2025年も人々を悩ませ続けた米価格の高騰。米不足に始まり、備蓄米の放出、そして今では米余りまで…まさに“令和の米騒動”といえる1年を振り返ります。
12月23日、静岡県静岡市内のスーパーに行ってみると…
高本圭市 記者:
ご覧のように4000円台のお米がずらりと並んでいます
未だに続く、米価格の高止まり。
まさに「令和の米騒動」という名の通り、ことし1年、県内でもこの話題が消えたことはありませんでした。
2024年の2月には2000円台だった米の販売価格。
その後、グングンと値上がりして、2025年2月には3800円を超え約2倍に。
伊藤渚紗 記者(2025年3月):
静岡市内のスーパーでは米の欠品が目立ちます。また、値段も例年と比べ、高いままとなっています。
米を確保しようという動きもあり、スーパーのお米コーナーはスカスカ…店頭は商品が品薄な状態が続きました。
そして、出てきたのが…
江藤拓 農水大臣(当時・2025年2月):
今回の備蓄米の売り渡しが、米の流通の円滑化、国民生活の安定に資するものになるよう、迅速に手続きを進めて参ります
“備蓄米”です。
そしてこのあと、まさに「令和の米騒動」ともいえる現象が繰り広げられることになります。
高本圭市 記者(2025年6月):
午前8時をまわりました。いま、整理券の配布が配られ始めました。現在、300人ほどが並んでいるということです
店の外にできた整理券を求める長い列。
江藤元農水大臣が備蓄米の放出を発表してから4カ月ほどが過ぎた6月初め、ようやく県内で備蓄米の販売が始まりました。
県内各地のスーパーには開店前から人・人・人。
スーパーの店員:
大変多くのお客様が見えられたことで1時間前倒しし、7時30分より整理券を配布しています
少しでも安い米を求めて、県民が何時間も並びました。
購入した人:
よかったです。だけど思わず「重い」って。2kgくらいしか最近買っていなかったので5kgの重みはすごいですね、うれしいです
備蓄米の販売を告知すれば長い行列ができるため、中にはこんな店舗も…
村田彬 記者(2025年6月):
こちらのドラッグストアではきょうから備蓄米の販売が始まります。開店20分前ですが、店の前には人の姿は見当たりません
混雑を避けるため、あえて事前に告知をしない“ステルス販売”も。
こちらの女性は備蓄米を目にするや否や、スマートフォンを取り出し…
女性:
備蓄米が1980円なんだけど、どうする?買っておく?
電話の相手は車で待っているという娘。
そして、相談の結果…
女性:
買います
6月頃から県内では急速に備蓄米が出回りだし、徐々に見かけることも多くなってきました。
こうした状況もあって、7月後半には3500円程度にまで下落しましたが…その後、米は再び上昇を始め、元の価格水準に戻ってしまいます。
というのも、9月に入り、入荷してきた新米は高止まりをしたまま…JAグループなどの集荷業者が農家への支払いを過去最高水準に引き上げ、仕入れ値が高いためスーパーも値段を下げられずにいます。
消費者は2025年の“米騒動”をどう感じたのでしょうか?
消費者:
(Q.こんな年は今までありましたか)ないですね
消費者:
年金生活していると少しでも安いと助かります
消費者:
娘たちが「あそこ安いよ」とかいろいろな情報を聞いて、そこへ行って買ったりもするが、もう少し下がってくれるとありがたい
消費者:
高いから…生活かかっているので買わなければいけないし、子供もいるし、お弁当も作らなければいけなかったので、高くても買わなければいけないなと思いました
一方で、米騒動はいま、“米余り”となって現れつつあります。
12月23日にスーパーを訪ねると、2025年初めのスカスカの棚とは打って変わり多くの商品が積まれていました。
こちらの店舗では在庫が過剰となり、最大で300円の値下げをしました。
田子重セナ店・内記寿治 店長:
12月に入りまして、お米が若干安くなりました。一部商品が。もう少し値段が下がってくれれば米離れも止まっていいと思うので、銘柄米で4000円切ってくれるような価格に安定してもらえれば販売する方としても販売しやすくなるので期待しています
また、他にも気になる現象が起きています。
米騒動を尻目に、米の民間輸入量は1月~10月までだけで9万トンを超え、2024年1年間の90倍近くに急増しました。
混乱が続く米を巡る状況。
果たして2026年はどうなるのでしょうか?