年末の出荷のピークが迫る東京・立川市の農園。
ところが、旬を迎える大根の畑を見てみると…。
カラフル野菜の小山農園・小山三佐男代表:
大根を見ると分かるとおり、水分不足で割れてきている。
畑には水分不足で割れてしまった大根があちこちに。
切って中を見てみると大きな空洞が。
その原因は、深刻な雨不足。「水分を自分で補おうとして、その部分だけ空洞になる」と小山代表は話します。
東京は空気がカラカラに乾燥した状態が続き、野菜の生育に深刻な影響が出ていました。
ニンジンも水分不足で割れ、縦に大きな裂け目ができています。
影響は葉物野菜にもおよび、寒い冬の鍋物に欠かせない白菜も水分不足で葉がきれいに丸まらず、開いた状態のままになっていました。
カラフル野菜の小山農園・小山三佐男代表:
どうしても筋張った硬い白菜ができてしまう。(Q.今後の価格は)100円から200円ぐらい上がるのではないか。
農林水産省が発表した先週の野菜の平均小売価格は、白菜が平年より34%高くなった他、ニンジンも38%、タマネギも59%高くなっていました。
年末も野菜の高値が続く中、大手スーパー「イオン」で注目を集めている食品がありました。
多くの買い物客が足を止めていたのは「冷凍野菜」のコーナー。
巨大な冷凍野菜のショーケースを見てみると、さといもやアボカドにアスパラガス。
そして揚げなすや、焼きなす、さらに4種のきのこミックスやみじん切りのキャベツなど100種類ほどの冷凍野菜がずらり。
冷凍のスライスたまねぎを手に取った女性は「よく買ってて、普通のたまねぎだと腐らせちゃったりとか、仕事忙しいとコスパもいいし(調理も)楽チンですね。火が通るのも冷凍しているからなのか、はやい気もしていて」と話し、高騰するタマネギも安く買えて安心だといいます。
1歳の子供の子育て中という女性は冷凍ホウレンソウをお買い上げ。
子育て中の女性:
離乳食をやっているけど、だんだんこういうものを食べるようになってきて、ゆでる時間が私も働いているので面倒くさい。価格もあまり変わらないですし、すごく助かってます。(Q.生のホウレンソウは買う?)しばらく買ってないですね。
野菜が高騰する中、冷凍野菜はなぜ安定した価格を維持できるのか。
冷凍野菜を製造・販売する企業を取材すると、ある工夫が見えてきました。
イシハラフーズ・小倉祥子社長:
“安さ”は旬の時期に販売する1年間分を冷凍する。収穫して最短2時間ぐらいで冷凍加工していますので、旬の味をぎゅっと閉じ込めることができる。
冷凍野菜工場内部の映像。
冷凍室の中ではベルトコンベヤーで運ばれるホウレンソウが、マイナス35度の冷風を浴びて急速冷凍されています。
この会社では国産野菜にこだわり、自社栽培した野菜を旬の時期に1年分、まとめて冷凍。
価格を一定に保つことができるといいます。
忙しい年末に一番需要が高まるという冷凍野菜。
食材の高騰が続く中、家事の時短にも欠かせない“家計の救世主”となっているようです。
そんな冷凍野菜を最もおいしく食べる秘訣は?
イシハラフーズ・小倉祥子社長:
急速冷凍しているので急速解凍が基本。凍ったままで炒めていただいたり、おみそ汁に入れていただくというのが一番おいしく食べる方法。