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プレスリリース配信元:株式会社ニト

医師の指示内容から精神科訪問看護を利用する小児・精神患者の具体課題と支援について調査




株式会社ニト(小児精神科訪問看護事業所 ニト、所在地:東京都板橋区、代表取締役:川崎翔太郎)は、日本における精神科訪問看護の利用者数が増加している背景を受け、具体的な利用者の課題やニーズ傾向をニトの訪問看護の利用者(全年齢)の318名における医師の指示内容より分析いたしました。本調査において明らかになったデータや分析結果を公表いたします。(※1)

<調査結果サマリー>
- 利用者疾患は成人が「統合失調症(30.0%)」、小児が「自閉症スペクトラム症(42.2%)」が最多
- 指示内容は「生活リズムの確立」が最多である一方で、小児では「対人関係の改善(小児全体の88.9%)」の指示が最多
- 小児の利用者は10代未満と10代で比較すると約2倍の利用者数に

調査概要
調 査 対 象:精神科訪問看護を利用する利用者318名
調 査 方 法:医師の指示書内容をもとにデータを分析
調査元期間:2023年12月~2025年8月のデータを元に分析


【本調査対象の利用者年齢分布】50代利用者が最多で小児も一定数が利用

本調査では、精神科訪問看護の全年齢の利用者を対象に分析を実施いたしました。精神科訪問看護の利用者においては50代がもっとも多い一方で、10代未満・10代といった小児層も一定数の利用ニーズが確認されました。




【利用者疾患分布】成人「統合失調症(30.0%)」・小児「自閉スペクトラム症(42.2%)」が最多

利用者疾患においては、成人「統合失調症(30.0%)」・小児「自閉スペクトラム症(42.2%)」が最多となりました。同じ精神科訪問看護でも主たる疾患においては、成人と小児では異なるため、提供支援においてもそれぞれの専門性が必要なことが伺えます。




【指示内容分布】

利用者への医師からの指示内容においては、全年齢対象としては「生活リズムの確立」が最も多く85.3%となりました。次点では、「対人関係の改善」が76.7%となっています。



成人のみを対象とした際も全体と同様の「生活リズムの確立」が最も多く85.3%となっています。次点も全体と変わらずですが、全体総数と比較して成人のみの場合は「薬物療法継続への援助」が70.3%と多くなっています。



小児分野では、調査対象の全体総数で最も多かった「生活リズムの確立」と比較して「対人関係の改善」の指示が88.9%と最も多く、異なる結果となっています。小児分野においては、コミュニケーション能力の課題や思春期での不安障害、対人・コミュニケーションによる外出不安など、特性による困り事への支援のニーズが高まっている傾向です。



また、令和4年度における厚生労働省の調査(※2)と比較すると本調査では、全体的に「対人関係の改善」項目が高い指示内容となりました。
本プレスリリースの情報やデータを使用される場合には、下記の調査タイトルおよび記事URLの出典を明記の上でご利用をお願いいたします。

出典:『精神科訪問看護利用者における実態調査』精神科訪問看護ステーション ニト調べ
https://nitor.co.jp/news/report-press

※1 本調査は訪問看護ステーションニト全事業所を基点としたデータであり、地域や事業所傾向により調査内容は異なる可能性があります
※2 出典『令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和4年度調査)の 報告案について』https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001075465.pdf


調査背景および調査の総評

本調査や精神科訪問看護に対するニーズを可視化し、訪問看護としての適切な支援への理解やアプローチを深めることを目的として実施いたしました。特に不登校や不安障害等の社会問題にもなっている小児領域においては、お子さんならびにご家族におけるニーズを可視化し、支援の必要性を具体化する一歩を踏み出す調査と考えております。

今回の調査および支援事例は、小児期における具体的な困難をデータ現場の双方から可視化するものです。 厚生労働省の統計でも示されているように、小児の訪問看護においては「生活リズムの確立」「行動・情緒の安定」「コミュニケーション支援」が主要課題とされており、今回の調査結果で 対人関係の改善(88.9%)生活リズムの確立(73.3%) が突出している点で一致しました。

実際の訪問看護における支援現場では、「就寝リズムを整えて登校週間を安定化させる」「学校で孤立していたお子さんに対してコミュニケーション練習を行い、クラス活動に参加できるようにする」「家族が福祉制度を活用できるよう支援し、通所型の放課後等デイサービスにつながる」といったアプローチによる支援介入を行っております。

また、成人では令和4年の厚労省調査および本調査において「対人関係の改善」の指示項目が増加しています。医療的な看護側面だけではなく、ソーシャルワークやカウンセリング、地域とのかかわりなど自立支援の部分でも求められる範囲が大きくなっていると考えております。ニトでは、就労支援や地域移行の専門家をスーパーバイザーとして招き、療養だけでなく自立支援・社会復帰・地域移行に力を入れております。生活リズムの支援においても、これらを目指すためのものとして、支援の質を改善できるよう支援しています。

今後、精神科訪問看護サービスが、単なる医療的支援にとどまらず、 家庭・学校・地域をつなぐハブとしての機能が必要とされているニーズが本調査にて可視化されたと考えています。今後も訪問看護ニトでは、地域や行政と連携し、子どもと家族が安心して生活できる支援モデルの構築を目指してまいります。

今回の調査について、背景や想いをnoteにまとめております。ぜひこちらもご覧ください。
医師の指示書内容から精神科訪問看護を考える~支援ニーズの変化と、現場から見える今後の課題~

精神科訪問看護ステーション「ニト」について




ニトは、発達障害や精神疾患のあるお子さま・成人の方に対して心身のケアや発達の支援、家族の生活の支援を行う訪問看護事業所です。

週に1~数回、関東圏を中心に担当スタッフがご家庭に伺い、お子さま一人一人の課題や特性、興味に合わせた個別のケアや精神疾患や障害に悩む成人の方への生活のサポートを提供しています。

自閉スペクトラム症やADHD、LDなど発達障害の診断を受けた方だけでなく「不登校が原因で社会とのつながりが持ちづらい」「1人での日常生活が難しい」といった生活面の課題がある方へも支援を提供し、生活リズムや気持ちの切り替え等の心身サポートを行っています。

成人向け精神科訪問看護から小児向けにも支援提供を開始し、これまで成人の利用者さまはもちろん、多くのお子さまへ心身のサポートや発達の支援をお届けしてきました。家庭という普段の生活に最も近い場所において、10年先を見据えた支援の提供を目指し、サービス提供エリアを拡大中です。

▼ニトの訪問看護をご利用を希望されるご家族の方は以下よりお問い合わせください
https://nitor.co.jp/

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社ニト 広報担当
Email:pr@nitor.co.jp
【企業概要】
株式会社ニト(小児・成人精神科訪問看護ステーション ニト)
設立:2025年2月
所在地:東京都板橋区大山金井町40-6ハーモニー大山201号室
代表取締役:川崎翔太郎

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