プロ野球のキャンプやゴルフトーナメントなどで宮崎県内の観光業が活気づく下半期。こうした中、懸念されるのがタクシー不足です。
慢性的な運転手不足が続く中、タクシー業界特有の勤務形態が強みとなり新たな運転手の確保につながっています。
(戸高涼平記者)
「こんなにタクシーはいっぱいありますが、使ってないものもあるということですよね」
(県タクシー協会 吉本悟朗会長)
「分かりやすく言えば、うちは45台ありますけど乗務員が38人。という感じですね」
車はあっても運転する人がいない。
コロナ禍以降、全国でタクシー運転手の不足が続いています。
全国ハイヤー・タクシー連合会のまとめによりますと、宮崎県内のタクシー運転手の数は5年前の7割ほどに減少。
また県内の運転手の平均年齢は66歳と、全国で3番目に高く高齢化が進んでいます。
(県タクシー協会 吉本悟朗会長)
「キリがいいから70歳になったのでとか、75歳になったので辞めますという形が非常に多くて、新しい人が入ってきているが辞める人もいるのでなかなか増えない」
県タクシー協会の吉本会長が社長を務めるMR交通では、タクシー業界特有の勤務形態を強みとして打ち出し、若い世代を中心にリクルートを強化しています。
(県タクシー協会 吉本悟朗会長)
「自分の腕一本で稼げる。しかも時間についてはある程度忙しい時間帯の時は頑張って長めにやって、暇な平日とかは早めに上がったりとか。そういう調整が利きやすい」
久保田晧一朗さん(24歳)はドライブ好きが高じてタクシー会社に転職、今年6月から運転手として働いています。
基本給に加え歩合給もあるタクシー運転手。
夜勤をメインに働く久保田さんに給与について尋ねると…
(MR交通 久保田晧一朗さん)
「想定していたよりはだいぶ良くて、内心びっくりして...こんなにもらって大丈夫?というくらいな感じでした」
またMR交通では、サーフィンを目的に関東から移住してきた50歳の男性が勤務時間に融通が利くということで、2種免許を取得し研修に励んでいます。
吉本会長は、県タクシー協会としても業界全体をはじめ、バスやトラックといった別の業種と一緒に運転手確保に向けた取り組みをしていきたいとしています。
また県タクシー協会では、余っている車両の活用も模索しています。
今年2月、プロ野球の春季キャンプに合わせて行ったライドシェアです。
二種免許を持たない一般のドライバーがタクシー会社の車両を運転するという形で行いました。
ただ、このライドシェアは前日までに予約が必要で利用は伸び悩んだと言います。
MR交通では12月から配車アプリを始める予定で、ライドシェアにも活用していきたいとしています。
(県タクシー協会 吉本悟朗会長)
「そういう仕組みがないと、なかなか今の事前に電話で予約して...みたいなやり方だと活用できないものですから。うまくアプリ配車を活用しながらタクシーとライドシェアをうまく融合させてやっていきたい」