“豊漁”で漁獲枠を超えたという理由で、北海道のスルメイカ漁が2026年3月まで、「休漁」となった。
長い不漁から約10年ぶりの回復だったが…地元の漁業関係者に戸惑いや憤りが広がっている。
「できればイカが安くなって欲しい」
鉄板の上で焼かれるスルメイカ。

今このスルメイカをめぐって、漁の現場が揺れている。

梶谷直史アナウンサー:
あぁ良い色に焼けていますね、焦げ目がついています。この香ばしい香り、食欲をそそります。
この店では、スルメイカを丸ごと焼き上げた見栄えから、イカ焼きがSNSを通じて人気となり、看板メニューとなった。

梶谷直史フィールドキャスター:
海の良い香りがしてきます。外はこんがり、中はフワッとしています、おいしい。
タイからの観光客:
おいしいです。
フランスからの観光客:
これ好きです。フランスにはないです、初めて食べました。おいしい!
しかし、このイカ焼き、価格が高騰し過ぎたため、メニューから外した時期もあったという。

アメ横酒場 山賊海賊アメ横センタービル店・中村将哉店長:
サイズ落としたり、価格の交渉をしたりして何とかやっているという状況です。味は特に問題ないので大丈夫です。

画面左が去年のサイズのイカ。右が現在、提供しているサイズ。

アメ横酒場 山賊海賊アメ横センタービル店・中村将哉店長:
(スルメイカの)量が取れてるのは承知の上なんですけど、できればイカが安くなって欲しい。

スルメイカは、2016年以降、不漁が続いていたが、2025年は約10年ぶりに回復。

ところが、“イカの街”北海道・函館市の鮮魚店を10月に取材したところ、店頭には「今年 最後の『いか』になるかも」との思わせぶりな言葉が…。
紺地鮮魚・紺地慶一さん:
なんか、漁獲枠があるんだって…本当に憤りを感じているのは、たぶん漁師さんが一番…。10年ぶりぐらいで、やっと(豊漁)…やっと…かわいそうだ。

約10年ぶりの“豊漁”により、漁獲枠を超えたという理由で、北海道のスルメイカ漁が2026年3月まで、「休漁」となったのだ。
漁協が開いた説明会では、突然決まった「休漁」に漁業者から戸惑いの声が相次いだ。

イカ漁師:
こんなことあっていいの。明日から給料出ないって言われたらどうする?“獲れ(るようになっ)て良かったね”っていうことがない制度って、おかしい。
イカ漁師:
こんなことしてたら、個人の漁師なんて日本から消滅する。

こうした状況の中、水産庁は5日、最新の資源評価を踏まえ、2025年の漁獲可能量を増やす方向で議論している。
漁業関係者は、議論の行方に大きな関心を寄せている。
(「イット!」11月5日放送より)
