自身も津波にのまれ、九死に一生を得た南三陸町の佐藤仁町長が、11月5日の退任を前に、最後の記者会見を開きました。

「どうもね、こんにちは」

南三陸町の佐藤仁町長。町長を5期20年務め、4日が、最後の会見です。

南三陸町 佐藤仁町長
「防災対策庁舎で、全身ずぶぬれで、火がやっとついて火にあたりながら、我々がこの町を再建しないといけないなって、職員に話をしたときに、あの時が私の原点ですから」

あの日、町の職員など43人が死亡または行方不明となった防災対策庁舎で、佐藤町長は屋上で津波にのまれながらも一命を取り留めました。

犠牲になった職員たちのためにも…被災翌日から毎日会見を開いて、町の被害を発信したこともあり、多くのボランティアが町を訪れてくれたといいます。

意見が分かれた防災対策庁舎の保存の是非については、去年3月、町有化をしたうえで震災遺構として残すことを決断しました。

これを区切りに、町長退任を決めましたが、今後も防災を広める活動を続けたいと決意を述べました。

南三陸町 佐藤仁町長
「東日本大震災で命を拾った首長はたぶん私一人です。経験したことを次の世代にしっかり伝えていくのが私の役割、務めだと思います。どう防災に向き合うのかというときに、ちょっとでも私が経験したことが役に立つのであればお呼ばれを頂ければ、お邪魔していろいろお話をさせていただきたい。それが私に課せられた第二の使命かなと思います」

仙台放送
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