町内に2つの蒸留所がある遊佐町が、「ウイスキーの町 遊佐」を宣言した。町は今後、小規模な蒸留所のウイスキーを軸に、国内外の愛好家たちの観光誘客を目指す。
(遊佐町・松永裕美町長)
「ウイスキー文化を育み訪れる人・暮らす人、みんなが誇れる“ウイスキーの町遊佐”をここに宣言し、次世代へと続く町づくりを進めてまいります」
遊佐町は、町内に2つのウイスキー蒸留所がある国内でも珍しい町のひとつ。
町はこの希少性をアピールし、「蒸留所の見学」をはじめとした“観光”と、ウイスキーを味わう“食”を組み合わせた「ウイスキーツーリズム」を前面に出して観光活性化を目指す。
10月31日、報道陣に向けてツアーの体験会が行われ、蒸留所の施設が公開された。
県内初のウイスキー蒸留所として酒田市の酒造メーカー「金龍」が2018年に製造をスタートさせた遊佐蒸溜所。
2022年からウイスキーの販売を開始し、高い評価を得ている。
一方、2021年に酒田市の老舗酒蔵・楯の川酒造が創業し、2023年に製造をはじめた月光川蒸留所。
ウイスキーの販売はまだ始まっていないが、準備は着々と進んでいる。
今後計画されるツアーは、蒸留所の見学を軸に展開することから、町を上げた取り組みに2つの蒸留所の代表も期待感をにじませている。
(遊佐蒸溜所・佐々木雅晴社長)
「遊佐町も複数の蒸留所があるということは、水を含めた環境がプラスのイメージで、世界に向けても発信できると思うので期待している。宣言は我々にとってもブランド化ということでプラスになると喜んでいる」
(月光川蒸留所・佐藤順平社長)
「ウイスキーを核に町づくりや交流人口を増やすことを考えると、非常に強力な磁石のようなコンテンツになりえると思う。庄内2社のウイスキーを楽しむことを目的に遊びに来ていただければありがたい」
また31日は、酒田の人気レストラン・nicoの太田舟二シェフ監修の料理とウイスキーのペアリングランチが提供された。
遊佐町は2026年の春以降、ふるさと納税の返礼品としてツアーを企画するなど、「ウイスキーの町 遊佐」のPRを強化する方針。