中国では今、野菜市場で地面に落ちたり、売れ残って捨てられたりする野菜を拾う動画がSNSで広まっています。
中国SNSを見ると、「ニンジンだらけ。ちょっとした傷があるくらい」「娘はこんなに持って帰ってきたけど、傷んだ葉は一つもない」「こんなにいいジャガイモが残ってる。大きくて完璧」といった動画が。
アップテンポな音楽とともに、カラフルな文字で「とても新鮮」「たくさん取れた」などとアピールする動画に加え、拾った野菜などで料理を作るものもあります。
「イット!」取材班は、実際に動画が撮影された市場へ。
なぜ、地面に落ちた野菜を拾っているのか。
その理由を聞くために直撃しました。
北京市内にある野菜の市場は、新鮮な野菜を求める多くの人でにぎわっていました。
その中にあったのが、袋を手にして地面に落ちた野菜を拾う人の姿です。
野菜を拾う人に話を聞くと、「TikTokで野菜拾いをしているのを見て、私たちも見てみようと思って。(Q.野菜を拾う理由は?)ただの好奇心だよ。みんな拾ってるから何があるか見に来た」「楽しいからです。この街に20年以上住んでいるけど、野菜を拾いに来ようなんて考えたこともありません。動画を見て遊びに来ただけ」などと話しました。
中国のSNSで流行している“野菜拾い”。
拾ったトウガラシやカブなどの野菜は料理に使うといいます。
市場で働く女性は、昼夜を問わず野菜拾いをする人の姿をよく見かけるそうです。
市場のスタッフ:
みんなTikTokを見て来ている。以前は高齢者ばかりでしたが、今は30代から50代の人もいる。経済的に困っている人もいれば、そうでない人もいる。子どもを連れて生活体験に来るだけの人もいる。
SNSで野菜拾いが広まった背景には、フォロワー獲得狙いの他、中国経済の発展後に生まれた30代などの若者が求める「生活の変化や刺激」があると中国メディアは伝えています。
一方で、エコや節約、生活苦などの経済的な理由で野菜を拾う人もいるようです。
しかし、このまま野菜拾いが広がると市場内の秩序を乱すとの懸念が浮上している他、衛生上の問題を指摘する声も上がっています。