シリーズ、みやぶれ特殊詐欺。
手口が巧妙化する中、自動音声を使った詐欺の音声データを入手しました。
詐欺とみやぶるポイントは、どこにあるのでしょうか?
「こちらはNTTです。お客様が現在ご利用中の携帯電話、固定回線などのすべての通信サービスを2時間以内に停止させていただきます」
北見市に住む50代男性の自宅の固定電話に一方的に停止を通知する電話がかかってきました。
怪しいと思いつつ男性が、自動音声の指示に従って操作すると、NTTカスタマーセンター担当のナカモトを名乗る男に繋がります。
本人確認のためと言って、名前、生年月日を聞かれた後…
「ご連絡させていただきましたのは■■■■様に関する情報でして」(ニセ NTTカスタマーセンター ナカモト)
「はい」(50代男性)
「こちらの番号から不特定多数の方に“大量の迷惑メール”が送られております」(ナカモト)
「はい」(50代男性)
「このことがですね、特定電子メール法という法律に違反しておりまして」(ナカモト)
特定電子メール法という実在の法律名をだし、警察に相談したらどうかと、そのまま電話が転送され…
「こちら大阪府警緊急通報ダイヤルです。どうされましたか?」(ニセ大阪府警)
「すいません、NTTから電話ありまして。個人情報が悪用されて携帯の不正契約がされてしまったので、被害届を提出したいんですよね」(50代男性)
「被害届を提出したいってことですね。わかりました」(ニセ大阪府警)
大阪府警察官を名乗る男がSNSのアカウントを聞いてきたため、男性は、詐欺と確信し、電話を切りました。
警察によりますと、自動音声を使うなど詐欺の手口が巧妙化していると言います。
北海道内の特殊詐欺による被害額は、ここ5年は5億円以上が多く特に2025年は9月末時点で、過去最悪の17億2000万円に。
2024年の同じ時期の4倍で深刻な事態になっています。
そんな中、札幌では被害を水際で防いだ例も。
感謝状を受け取ったのは札幌市清田区の郵便局員本村信子さんです。
本村さんは、9月に、郵便局を訪れた80代の男性にこうお願いされました。
「振り込みをしたいから手伝ってほしい」(80代男性)
本村さんがATMで振り込みの案内をすると、振り込み先が、インターネットバンキングの個人名の名義でした。
「まず、怪しいと思った」(本村信子さん)
本村さんが男性に話をきくと…
「携帯電話が不正に利用されているので、1年間の未納分・50万円を振り込んで欲しいという電話があった」(80代男性)
「詳しく聞いていいですか?と言ったら、『あんまり詳しく話すなって言われてる』と、それで、その振込みを警察で確認してから振り込んだ方がいいですよっていうことで」(本村さん)
更に着信先を確認すると+から始まる国際電話でした。
本村さんは郵便局長に相談し警察へ通報、被害を水際で防ぎました。
「しっかり聞き取りできたことが、今回もしかしたら(詐欺を)防げたことになるのかな」(本村さん)
巧妙化する詐欺の手口。
なぜ、被害はなくならないのでしょうか?
「矢継ぎ早にどんどん話を進めていって考える時間を与えない、誰かに相談する隙を与えないという手口、信じ込ませる手口になっていて、巧妙化してきていると思います」(道警生活安全部生活安全企画課 西中智則さん)