夢のマイホームはますます持つのが難しくなるのだろうか。
土地取引の目安となる「基準地価」が発表され、北海道富良野市が全国1位の上昇率となったほか、札幌市も高騰が止まらない。
北海道の「基準地価」発表―札幌市は“高止まり”
9月16日に発表された北海道の「基準地価」。
1平方メートルあたりの土地の価格を示し、取り引きの指標となる。
住宅地は札幌市の高止まりが続いている。
「北海道神宮に来ています。道路を一本を挟んで向かい側にあるこちらのエリアの一画が、北海道で最も土地の価格が高い住宅地となりました。37年連続です」(板橋未悠アナウンサー)
住宅地として、北海道最高価格の札幌市中央区宮ヶ丘2丁目の一画。
1平方メートルあたり2024年から2.1%上昇し、38万3000円。
札幌市は住宅地の価格の上昇が続いていて13年連続。
1平方メートルあたりの平均価格は10万8400円だ。

この影響は新築分譲マンションにも及んでいる。
2024年、札幌市のマンションの平均価格は、前の年から3.3%上昇し、過去最高の5145万円となった。

札幌市豊平区の住宅展示場を訪れた人からも、まさにマイホームは「高根の花」という声が漏れていた。
「(一戸建てや新築は)ちょっと厳しい。都心部から離れた方が安いとは思いますが、都心に近い方が子育てしやすいと思うので、いろいろ検討しています」
「一戸建ては厳しいと思っていて、建てるとしたら実家を建て替えることになるか」(いずれも見学者)

この厳しい状況は数字にも。
2024年、札幌市内の新設住宅の着工戸数は過去10年で最も少ない1万5107戸。
一戸建ては2721戸で、2016年と比べると約3割減った。

土地に加え、資材や人件費など建築費の高騰が背景にある。
「5年前に家を買ったんですけど、5年前に比べたらだいぶ値段が上がっているので、札幌で家を買うのは厳しくなってきていると思います」(住宅展示場の見学者)
今後はどうなるのか。
専門家は、「郊外のマチの注目度がさらに上がる」と分析している。
「(札幌市の土地価格が)下がるにはまだ至っていないのかなと。札幌市が高いという方は、やはり郊外に流れていくんじゃないでしょうか。江別市や石狩市や南幌町とか、子育てに熱心なエリアですね。通勤は不便になるかもしれませんけど、魅力はあると思いますので」(北海道不動産鑑定士協会 横山幹人理事)

高騰しているのは札幌市だけではない。
住宅地の上昇率の全国1位には、第2のニセコとも呼ばれる、富良野市北の峰町の一画がランクイン。
インバウンドの別荘需要を背景に、2024年より27.1%アップした。
札幌市への人口集中と外国人需要も重なる北海道。
一方で大きく下落するマチも。
夢のマイホームはどうしたらいいのだろうか。

北海道全体で見る地価の現状
実は北海道全体で見ると、住宅地の価格は二極化が進んでいる。
地価上昇率全国3位まではすべて北海道で、インバウンドの別荘需要が増えている富良野市北の峰町、ラピダス進出効果で賃貸物件の需要が増加している千歳市の東雲町と栄町が続く。
一方、地価下落率全国1位も北海道で、十勝の豊頃町であった。
2位は厚沢部町館町、3位は本別町柏木町で、中心部からの距離が離れていることや、人口減少、高齢化で住宅需要が減少していることが背景にあり、北海道全体では5年ぶりに下落に転じた。

「北海道住宅都市開発協会」による札幌の新築一戸建ての平均価格は以下の通り。
2022年:約3500万円
2025年:4500~5000万円
3年で3割ほど上昇したことになる。

では、札幌でマイホームを持つにはどうしたらいいのか。北海道住宅都市開発協会に聞いた。
・土地を狭くして3階建てなど
・中心部以外のエリア検討を
物価上昇が相次ぐ中、地価上昇でも悩みは続きそうだ。
