神戸市は、市立西神戸医療センターで悪性リンパ腫で入院・治療を受けていた70代の男性患者が、悪性リンパ腫の治療終了後に「B型肝炎ウイルス」が活性化しないように受けていた投薬も終了してしまい、急性肝炎を発症してその後死亡する医療事故があったと発表しました。

医師が「B型肝炎ウイルスキャリアであること」について「失念していた」ということです。

■「B型肝炎ウイルスのキャリア」”ウイルス活性化”防ぐ薬投与し「悪性リンパ腫」治療も…

病院の発表によると、神戸市に住む70代の男性患者は、おととし10月に西神戸医療センターで悪性リンパ腫と診断されました。

その際、患者から「B型肝炎ウイルスのキャリア(持続的に感染はしているものの、症状が出ていない状態)」と申告があり、病院はそのことを把握していました。

患者の悪性リンパ腫の化学療法にはB型肝炎ウイルスを再活性化する薬剤が含まれていたため、化学療法の合併症の予防薬とともにウイルスの再活性化を防ぐ「核酸アナログ製剤」を処方したうえで、治療が始まっていました。

そして去年4月に患者は悪性リンパ腫が完全寛解となり、去年9月には合併症の予防薬も中止できる状態となっていました。

このときに医師が、患者が「B型肝炎ウイルスのキャリア」であることを失念し、「核酸アナログ製剤」の処方もあわせて中止してしまったということです。

患者はことし1月に黄疸と倦怠感で病院を受診し、B型肝炎ウイルスが再活性化したことによる急性肝炎と診断され、緊急入院して「核酸アナログ製剤」の投薬など治療を受けていたものの、悪化して死亡しました。

■会見で「重大な結果を招いたことは大変残念で深く反省」「ご遺族の方に心よりお詫び」など謝罪

西神戸医療センターは記者会見で「患者様がお亡くなりになるという重大な結果を招いたことは大変残念で、深く反省しております。患者様のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方に心よりお詫び申し上げます。

また、今後このようなことがないように、再発防止に努めます。今回のことは医療事故ととらえており、地域の中核病院として市民の生命と健康を守るべき役割を担う当院が、市民や地域医療機関、多くの関係者の方々の信頼を裏切る結果を招いたことにつきまして、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。

関西テレビ
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