関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」出演がきっかけで、小泉農水大臣と福岡県のJA組合長の直接会談が実現しました。

「農協を潰さないで」と訴えた組合長に対し、小泉農水相は「農家が必要とされるサービスが供給される体制を作らないといけないと思っています。それが農協なのか、農協でないプレーヤーなのか、それを選ぶのは農家の皆さんだろう」と述べました。

「とれたてっ!」独占取材です。

■番組出演がきっかけで小泉進次郎農水相とJA組合長が面会

終わらない「令和のコメ騒動」の中、きのう=20日、農林水産省を訪問したのは、JA直鞍の組合長、堀勝彦さん。

小泉進次郎農水大臣と面会するため、福岡県からやってきました。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長(83)】「大臣との話をばっちり決めたい」

きっかけは、6月30日放送の「とれたてっ!」でした。

【小泉進次郎農水相(6月30日の生出演より)】「農家の皆さんからしたら、私は決して歓迎できない存在かもしれないですよね、今は。米の価格を下げるなんて、ふざけんなと」

生出演した小泉農水相に対し、VTRで“農協改革”に異議を唱えたのが堀さんでした。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長(VTR出演)】「(小泉農水相は)農協をつぶす気か」「1回、大臣に会わせたほうがいいよ、俺を。会いたい…」

【小泉進次郎農水相(6月30日の生出演より)】「私が農協をつぶそうとしているということはない。ただ、つぶれるかどうかは、農家の皆さんに選ばれるかどうかだけだと思います。福岡の堀組合長、ぜひお会いしたい」

■対談が実現 「新米の価格が下がるんじゃないの?」と直球質問

あれから、およそ2カ月…。

【小泉進次郎農水相】「前回はこの番組(「とれたてっ!」)で、中継越しでお顔拝見しました。よろしくお願い致します」

本当に、小泉大臣と堀さんの対話が実現することとなったのです。

【小泉進次郎農水相】「なかなか全国のJAの中で、私が『お会いしたい』と言った後に、実際来られる場合、あんまりないんですけれど、さすが!」

和やかな雰囲気の中、早速、議論の火ぶたが切られます。

最初の議題は、この日、午前に発表されたばかりの“備蓄米販売期限の延長”についてです。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「(備蓄米放出の延期で)米の価格が下がるんではないかと、農家・農協に打撃があるんじゃないか。大臣どう思いますか?」

【小泉進次郎農水相】「新米への影響はないだろうと見ています。すでに『30万トン随意契約の備蓄米を放出します』と、世の中に言ってあることの中で対応している。最終的にマーケットが落ち着いた段階で、備蓄米の放出した量の水準を戻すことも含めてやっていきたいと思います」

■“害虫防除に国の補助” 情報がJAに届いてない?

つぎに、“カメムシ対策”について。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「害虫駆除を本腰にしたら、米の3割は増産できます」

【小泉進次郎農水相】「異常な高温で、カメムシが例年以上に出ている中で、防除がいつもより多いことに対して、国も一部補助する、そういった形の対策は今回やります。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「ぜひやってください」

【小泉進次郎農水相】「こういった情報って皆さんに届いていますか?」

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「いやあ…」

【小泉進次郎農水相】「これなんだよね!」

■「農協なくさないで」に小泉農水相「なくそうとしていると思っています?」

そして話題は、堀さんが「最も訴えたかったこと」に…。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「農協は地域貢献、お年寄りや何やについて十分にしていますから…ぜひ、農協をなくさないように」

【小泉進次郎農水相】「『なくそうとしている』と、思っています?」

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「そりゃ思っています」

【小泉進次郎農水相】「ははは」

■堀組合長「農水省の指導の通りに動いている」小泉農水省「なかなかそんなことない」

【小泉進次郎農水相】「一番大事なことは、農家が農協をどう思うか。農家から見て『農協があってよかった』『農協のおかげで手取りが上がった、収入が上がった』そうなれば、おのずと必要とされるわけですよ」

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「私たちのところもだけれど、ほとんどの農協は、その方針でやっていますよ」

【小泉進次郎農水相】「堀組合長のように、地元の組合員から必要とされるJAかどうか、そういう農協が広がることを期待しています」

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「私たちは農水省の指導の通りに動いているんですよ」

【小泉進次郎農水相】「そうですか? なかなかそんなことないですよ」

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「どういう意味ですか?」

【小泉進次郎農水相】「とにかく農家の立場にとって、農家が必要とされるサービスが供給される体制を作らないといけないと思っています。それが農協なのか、農協でないプレーヤーなのか、それを選ぶのは農家の皆さんだろう」

■「かみ合わない所もあったが、誠意はあった」と振り返った堀組合長

議論は白熱し、予定された20分を超え、30分たったところで終了。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「また機会があったら」
【小泉進次郎農水相】「ぜひ、いつでもお越しください」

会談終了後、堀組合長は次のように感想を語りました。

【JA直鞍(福岡)堀勝彦組合長】「思いは伝えました。ただかみ合わないところもある。それは十分わかる。誠意はあったと思います」

互いに思いのたけを語り合った堀組合長と小泉農水大臣。

農協、そして米農家の未来はどうなるのでしょうか。

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年8月21日放送)

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