ロシア・カムチャツカ半島付近で起きた地震で、三重県鳥羽市ではカキの養殖いかだが津波で流されるなどの被害が出ました。8月4日から復旧作業が始まりましたが、被害額は1000万円を超えるとみられています。
鳥羽市浦村の名物「浦村かき」。自然の恵み豊かな生浦湾(おおのうらわん)は、多い時には年間で4万7000トンが収穫できるカキの名産地です。
養殖は順調に進んでいて、あとは秋の収穫を待つだけでしたが…。
浦村かき組合の角田直樹委員長:
「擦れてカキが落ちていますね。カキが擦れたりすると、売り上げとかに影響するので」
7月30日、ロシアのカムチャツカ半島付近でおきた巨大地震の影響で、鳥羽市では40センチの津波が観測され、浦村町にあるカキの養殖イカダの5分の1にあたる372台が、壊れたり流されたりするなど被害を受けました。
8月4日からはじまった復旧作業には、地元の養殖業者らおよそ60人が集まり、海中で絡まったロープを引き上げたり、重なったイカダ同士を引き離したりするなどの作業を行っていますが、完全復旧まで1カ月ほどかかる見込みです。
角田委員長:
「津波だけはどうしても予想もできない。東日本大震災の津波が大災害でしたので、それから勉強したんですけど、この湾内はやっぱり津波には弱いね」
この地域のかきの養殖業者は、これまでも津波の被害に悩まされてきました。
2011年の東日本大震災の際には、1.8メートルの津波に襲われ、およそ9億5000万円の被害が出ました。
2022年にも、トンガ沖で発生した海底火山の大規模噴火による津波の影響で、養殖イカダおよそ500台が流されました。
その度に悩まされるのが、費用の工面です。
角田委員長:
「国会議員さん・県議会議員さんに、お金がおりてくるようにしてほしいですし、もしなかったら、今年辞める業者もちょこちょこ出てくるんじゃないかな」
今回の津波での被害総額は1000万円以上にのぼる見通しで、カキの養殖業者は4日、現場を視察した三重県の一見知事に、復旧費用の負担を訴えました。
鳥羽磯部漁協浦村支所の城山忠一理事:
「復旧活動に関わる費用の補助、潜水ダイバー、重機レンタル代の費用、廃棄物処理、その補助をお願いしたい」
三重県は「早急に対策を講じていく」としています。