カムチャツカ半島沖の地震による津波注意報の解除から一夜明け、宮城県気仙沼市ではカキの養殖いかだの復旧作業が始まりました。また、7月30日、気仙沼市の防潮堤の扉が未完成のため閉鎖できなかったことが分かりました。
8月1日朝、気仙沼市の上空。海上に整然と並んでいたはずのカキの養殖いかだが、津波によって航路にまで流されていました。
カメラマンリポート
「津波被害の復旧作業でしょうか、養殖施設の周りには多くの漁船が見られます」
記者リポート
「漁場を近くから見てみますと、養殖いかだが重なってしまっている様子が確認できます」
気仙沼市大島では、津波によって流されたいかだが重なり合い、海中のロープが絡まる被害が出ています。
1日朝はロープを切断したり漁船で引くなどして、いかだを移動させる作業が行われました。
こちらの地区では、130基ほどある養殖いかだのうち、およそ120基が被害を受け、最大で500メートルほど流されたということです。
今シーズンの収穫量は少なくとも1割ほど落ち込むと見られ、来シーズンのカキの成育にも影響が出るおそれがあるということです。
ヤマヨ水産小松武社長
「今は被害があった直後で落ち込むことが多いが、復旧を頑張りたい」
復旧には少なくとも2カ月ほどかかるということです。
一方、気仙沼市では、津波注意報と警報が発表された際、「陸閘」(りっこう)と呼ばれる防潮堤の扉が閉まらなかったことが分かりました。
魚市場前の陸閘は、すでに本体は完成しているものの、遠隔操作するための電気工事が完了していなかったということです。
気仙沼市 菅原茂市長
「完全完成までにこのような事態が起きないことを願っていた。早期完成を目指してほしい。そのことを強く要望したい」
気仙沼市は、市内に3カ所ある防潮堤の早期完成を求め、来週、国や県に緊急要望する方針です。