任期満了に伴う仙台市長選挙は8月3日投票です。立候補しているのは届け出順に現職の郡和子氏、新人の野田紀子氏、菅原武大氏、松本剛氏の4人です。

現市政2期8年の評価や子育て支援、地域活性化などが争点となっています。それぞれの候補者の訴えと選挙戦です。

無・現 郡和子氏(68)
「未来の仙台を確たるものとするために、引き続きその責任を負わせてもらいたい」

3期目の当選を目指す現職の郡和子氏(68歳)。告示日の第一声には県内の市長・町長が顔を揃え、支援者およそ150人が集まりました。

選挙活動は、現職ならではという側面も。この日は街頭演説を終えると…。

無・現 郡和子氏(68)
「きょうはね、公務に戻らせていただきます」

選挙期間中と言えど公務はなくなりません。選挙と公務を行き来する毎日です。

無・現 郡和子氏(68)
「仙台の町づくりには、若い人たちの力が必要」

前回2021年の市長選はコロナ禍真っ只中でしたが、今回は積極的に市民と触れ合います。

無・現 郡和子氏(68)
「生まれてきた子供たちに、仙台でのびのびと勉強し、のびのびと成長し、ふるさと仙台の町にも大きな力になってもらうことを期待している。支援もしっかりさせていただきます」

「笑顔あふれ世界から選ばれる仙台へ」。

というキャッチフレーズを掲げ、国際会議や国際的イベントを誘致した実績を強調してきた郡氏。一方で、選挙戦では子育て支援策の充実も前面に出します。

無・現 郡和子氏(68)
「子供の医療費ワンコインを廃止します。18歳まで医療費の無償化を実現します」

今回の選挙戦で唯一の個人演説会を開いたのが中学生時代を過ごした太白区の秋保地区。

無・現 郡和子氏(68)
「笑顔あふれ、世界から選ばれるまちにしていきたい。3期目も絶大なる支援を皆様にお願いしたい」

同級生や先輩などなじみの人たちを前に表情を緩めました。

無・現 郡和子氏(68)
「頑張ろう、頑張ろう、エイエイオー」

無・新 野田紀子氏(76)
「現市長の考えの中に、生活している市民の姿が見えているのかと思っている。町づくりの主役は市民一人一人。市民の人たちの声をしっかり聞いて、大事なところに予算をつけていく」

現市政に批判的な姿勢で考えを訴えるのは新人でエフエムたいはく社長の野田紀子氏(76歳)。候補者の中で最年長、「人生最後の挑戦」と言う初めての選挙活動は手探りです。

「まちづくりの主役は市民」だと話し、市民の声に耳を傾けることを活動の中心に据えます。

今も現役のラジオパーソナリティーでもある野田氏。長年の取材ノウハウそのままにボイスレコーダーで市民の声を集めます。

Q.仙台市の駄目なところは?
「若者が暮らしやすくしてほしい。お金ないので」

市民の暮らしの向上を訴えの中心に掲げて、予算を大幅に見直し、子供たちが生き生きと元気に育つ環境づくりを進めたいと訴えます。

そのうえで、どんなことでも相談できる市長直轄の相談窓口を設置すると独自のアイデアを打ち出しています。

野田氏を支えるのは次女の夏子さんです。

次女 夏子さん
「母の強みは会社の経営や建て直しもしてきているので、予算など仙台の現状を見て判断できる。仙台市がよりよくなるために、最後まで頑張ってほしい」

モットーは「精一杯」だという野田氏、精一杯の選挙戦が続きます。

無・新 野田紀子氏(76)
「仙台に住んでよかったと思ってもらえるような、温かくて優しい町を作りたい」

告示日の翌日、JR仙台駅前でマイクを握ったのは、元自衛官で新人の菅原武大氏(60歳)。告示日当日は参議院選挙の投開票日で、「有権者に参議院選挙に集中してほしい」と演説を行いませんでした。

無・新 菅原武大(60)
「『仙台市から日本を立て直す』を合言葉に、この仙台市をより良い町にするのが目的」

訴えるのは「市が直接子育てを担う」という独自の政策。重点項目として、0歳から18歳までが無料で1日3食食事できる施設を作ること。同じく0歳から18歳までを24時間受け入れる施設を作ることの2つを掲げます。

無・新 菅原武大(60)
「子育て世代が、いついかなる時でも仕事に専念できる」

菅原氏の活動は集会所を借りた個人演説会やポスターを貼る作業が中心。誰の手も借りずに全て一人で行います。

無・新 菅原武大(60)
「私の意見が通ったらすごいことになると思わない?その下準備として顔を知ってもらうことが必要なのでポスターを貼っている。一人でもやれるという証明をする。私がもし今回だめだとしても、あの人でもここまでできるんだったら、僕もやろうかなという若い人がどんどん出てくれるのが一番大事だと思う」

無・新 松本剛氏(48)
「これまでの停滞した市政をこのまま続けるのか。それともここで刷新するのか。市長交代を皆さんの力で実現させましょう」

元会社員で新人の松本剛氏(48歳)。「刷新」を前面に打ち出して選挙戦を展開しています。もともとは住宅設備機器の販売会社で営業をしていた松本氏。8年前の市長選から市政に対する問題意識を抱き始めたといいます。

そして今年、およそ20年務めた会社を退職。自ら市政の舵を取ろうと立候補を決意しました。

無・新 松本剛氏(48)
「音楽ホールに350億円かけて作る必要が本当にあるのか。仙台市にそんなお金があるんだったら、今やるべきことは物価高対策です」

公約として掲げるのは、音楽ホールと震災伝承拠点の複合施設の建設計画の凍結、市民税を5パーセント減税、メガソーラー建設反対、給食費の無償化などです。

選挙活動にはSNSも積極的に活用し、知名度向上や支持拡大を狙います。告示日前、200人ほどだった「X」のフォロワー数は1700人ほどにまで上昇。投稿に2万件以上の「いいね」がつき、「バズった」こともありました。

現職の市政に、真っ向から異を唱える松本氏。変化を訴える声がどこまで浸透するかが焦点です。

無・新 松本剛氏(48)
「豊かな未来を次の世代に渡していくことができなくなってしまう未来が、すぐそばまで迫っている。今ここで仙台市を刷新して胸を張って、未来の子供たちに渡せる仙台市を作りましょう」

仙台放送
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