学歴詐称に揺れる伊東市の田久保眞紀 市長は7月31日、辞意を撤回した上で続投を宣言した。この問題が浮上してまもなく2カ月となるが目立つのは時間の経過と共に変遷する田久保市長の言動だ。

市の広報誌や報道機関から依頼された経歴調査票に「東洋大学法学部卒業」と記載していたものの、実際には除籍だったことがわかっている伊東市の田久保眞紀 市長は7月31日、辞意を撤回した上で続投を表明した。

この問題が表面化してまもなく2カ月。

目立つのは時間の経過と共に変わる田久保市長の言動だ。

そもそも、この問題が浮上したのは6月初旬に市議会議員全員に対して告発文が届いたことがきっかけとなっている。

そこには「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」と記されていた。

これに対し、田久保市長は卒業していることを強調した上で「証拠に基づかない“怪文書”には対応しない」と強気な姿勢を示していたが、7月2日に除籍だったことを認めるに至る。

この間、卒業証書を提示すれば済むという声が多かったものの、田久保市長が東洋大学に出向いたのは6月28日だった。

また、6月26日には7月2日の会見に卒業証書を持って来るとの意向を示していたものの持参せず、7月7日の会見ではまたしても持参しないどころか「検察に在籍期間証明書や上申書と共に提出する」と宣言。

ところが、今日に至るまで検察への上申はしておらず、7月31日の会見では「刑事告発の状況などを総合的に検討しなければならないので答えは差し控える」と話している。

さらに7月7日の会見では10日から2週間の間に検察への上申を済ませたら「可及的速やか辞職する」と述べ、その後、月内にも辞職する考えを明らかにしたが、7月28日の定例記者会見では頑なに「辞職」の2文字を口にしないなどトーンダウン。

すると、7月31日の会見ではついぞ辞意を撤回し、続投の意向を示した。

こうして振り返ると、田久保市長の言動はすべて時間稼ぎをしているように見える。

このため、市議会の中では田久保市長に対する不信任決議案の提出も取りざたされているが、関係者の間では市長の狙いは議会を解散することにあるのではないかといぶかしむ声もある。

市長に対する不信任決議案は全議員の3分の2以上が出席した上で、出席議員の4分の3以上が賛成すると可決し、可決した場合に市長が10日以内に議会を解散しなければ失職となる。

仮に議会の解散を選択した時には、市議選を経て再度、不信任決議案について採決が行われ、全議員の3分の2以上が出席した上で過半数が賛成した場合には失職するが、過半数に届かない場合は市長職に留まることができる。

こうした中、田久保市長の周辺ではすでに一部の支持者に市議選への立候補を促す動きが見られることから、市議会に“市長与党”の議員を増やすことで失職を回避する狙いがあるとの見方も出ている。

テレビ静岡
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