7月30日午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近でマグニチュード8.7の巨大な地震が発生しました。
幼稚園は建物が一部倒壊しました。
被害の状況は明らかになっていませんが、大きな被害が出ました。
さらに津波も発生しました。
これは千島列島北部のパラムシル島、セベロクリルスク市をドローンで撮影した映像です。
市街地の広い範囲に津波が押し寄せました。
別の水産加工工場から撮影された映像でも津波が押し寄せ、沿岸の建物が浸水し、多くの物が流されているのがわかります。
SNS上には場所は不明ですが、車がすでに津波に飲み込まれている映像もあります。
気象庁は北海道太平洋沿岸に津波警報を発表しました。北海道各地で住民が避難しました。
「消防署の屋上に人がたくさん避難しています」(紺野由之カメラマン)
鵡川消防によりますと、鵡川高校の生徒など約300人が消防庁舎の屋上などに避難しました。
この場所は町の指定緊急避難場所になっていて、津波警報を受け、近くの住民が自主的に避難してきたということです。
「テレビ見ていると怖くて。外に出るとサイレン鳴るし。じっとしていられない、何もないことを願う」(避難した人)
最大40センチの津波が観測された苫小牧市では、高台にある公園に避難して来た車がごった返していました。
駐車場では渋滞が発生しました。避難した人は木陰で暑さをしのぎました。
市内中心部のホテルも一時避難場所となり、3階の大きな宴会場が開放され、市民100人が集まっていました。
「びっくりしましたね。ネットで検索して避難場所になっているとのことで急いで準備してきた。できるだけ高いところにいた方がいいかなと思ってここを選んだ」(苫小牧市市民)
苫小牧市内のガソリンスタンドでは、給油しようと多くの人がつめかけ、長蛇の列ができました。
「ガソリンが全然なかったのでヤバイと思って。前に行ったスタンドは閉まっていた。20分くらい待った」(白老町から訪れた人)
十勝地方広尾町の「十勝港」には、午前10時32分に津波の第一波が到達しました。
午後4時51分には60センチの津波を観測し、徐々に津波が高くなっています。
午後3時現在、沿岸の音調津地区の避難施設などに70人以上の住民が避難しています。
釧路市では午前9時ごろ、津波の被害を避けるため港から多くの船が沖に出ていきました。
高台の公園には多くの住民が避難し、心配そうに海を見つめていました。
「とにかく津波が陸に上がってこないことを祈っています」(避難した人)
午後4時ごろには40センチの津波を観測しました。
市内52か所の避難所には、最も多いときで約3800人が避難しました。
「避難タワーには多くの人が避難しています」(沼田海征記者)
隣の釧路町の避難タワー。巨大地震発生時の津波に備え2025年から使い始めました。
7月30日は100人近くの地元住民がタワーをのぼりました。
「避難警報になり、走って子どもを迎えにいき、すぐタワーへ行きバタバタ。この子が一番つらいかな。初めて使ったが遠くないので安心」(地元住民)
「早く良くなってほしい。早く帰りたい」(地元住民)
根室市の根室港では午前9時半過ぎ、津波に備え防潮堤が閉められました。
漁船は津波を避けるため”沖止め”をしていました。高台には、不安そうな市民が次々と避難しました。
根室市花咲では午後2時57分に北海道で最も高い80センチの津波が観測されています。
また、7月30日、北方領土の旧島民ら61人が根室沖で洋上慰霊式を行う予定でしたが、午前9時過ぎ、31日に延期を決めました。