水が枯れた「雨乞いの滝」

昔から伝わる「雨乞いの滝」を訪ねる旅に出た。富山市の立山山麓で車を降り、上流へと続く道を1.5キロほど歩き進む。
清流が生み出す自然の芸術


途中で出会った「百間滑」と呼ばれる清流は、美しい岩肌の上を滑るように流れ、見る者を魅了する。せせらぎの音に耳を傾けていると、大きなオニヤンマが姿を見せた。

消えた龍の姿
しかし、目的地の「龍神の滝」に到着すると、予想外の光景が広がっていた。

*リポート「猛暑と雨不足のせいか水が枯れて、滝がありません」
本来ならば、ここには落差40メートルの壮大な滝があるはずだった。天に登る龍のような姿をした「龍神の滝」は、その龍が先ほどの百間滑に向かうと夕立が降るという言い伝えから「雨乞いの滝」とも呼ばれている。
今年の異常な暑さと少雨によって、その姿を消してしまった滝。皮肉にも「雨乞いの滝」自体が、今、雨を待ち望んでいる。自然の力強さと儚さを同時に感じさせるこの光景に、一日も早く雨が降り、滝の姿が戻ることを祈らずにはいられない。
