【プロスポーツ】北海道コンサドーレ札幌はサッカーJ2リーグで9年ぶりに戦っている。運営会社コンサドーレ(札幌)の社長に1月、就いた石水創さんに、降格という試練の中でのチャレンジや北の大地で進める夢づくりについて聞きました。BOSS TALK#106

初観戦で、見ず知らずの人と喜びを分かち合う姿に感動しサポーターに

――前回は石屋製菓のボスとして、今回はコンサドーレのボスとしてご出演いただきました。コンサドーレとの関わりは?
「コンサートドーレができたのは1996年。父が当時、札幌青年会議所のメンバーで、『北海道にプロスポーツチームを』と、東芝サッカー部のフランチャイズとして、誘致したのがきっかけです。コンサドーレの試合を初めて見たのが初年の96年。福島FCとの試合が福島で行われ、家族で観戦に行きました。試合はコンサドーレが4対1で勝ちました。試合後に、北海道から駆け付けたサポーターが見ず知らずの人とハイタッチし、喜びを分かち合うのが本当に楽しくて、すごく感動しました。当時、中学3年で、それ以来、コンサドーレのサポーターとして、応援しています。東洋大学時代はスキー部に入部して、埼玉県の寮で暮らしていました。コンサドーレは2000年当時、J2で岡田武史監督の時代。さいたま市駒場スタジアムでの浦和レッズとの対戦では完全アウェーの中でポツンと私と友人で応援した思い出があります」
――石屋製菓の社長もコンサドーレの社長も務めるのは大変だと思います。
「昨年J2に降格し、本当に悔しくて情けなくて。社外取締役としてコンサドーレの経営に関わっており、責任をすごく感じました。経営面では、実質7期連続赤字。これだけ集客があり、パートナー企業の数も増えて、売り上げも50億円を達成したのに赤字です。コンサドーレをなくすわけにはいかないという使命感があり、チャレンジしよう、フルコミットしようと決めました。大変なのは頭の切り替えです。例えば、午前に石屋製菓の経営会議があり、午後はコンサドーレの打ち合わせという場合、お菓子のモードから、サッカーのモードに切り替えるのが最初は難しかったのですが、今は慣れてきました」


プロスポーツで求められるのは迅速な判断など、臨機応変な対応

――お菓子メーカーの社長として、プロスポーツチームの社長として考えることは同じですか、違いますか。
「人を幸せにする、人を喜ばせる、笑顔を作るのは共通しています。全く違うのは、プロスポーツでは試合の後、すぐに結果が出て、いろいろな決断、判断をしないといけない。臨機応変な対応が大変です。今までパートナー企業として観戦するときは、一喜一憂する楽しさがありましたが、経営者としては一喜一憂していれば精神的に持ちません。真剣である必要はありますが、深刻になる必要はないと思います」
――サポーター、パートナー企業のみなさんは一喜一憂を求める。矢面に立たなければならない立場ですね。
「新型コロナウイルスの拡大で、石屋製菓の業績がすごく落ちたとき、父に相談に行くと、父が『おまえ、悪いことをやったのか』と聞かれました。『別に悪いことはやってない』と話すと『では、仕方ない』と言うのです。人のため、喜んでもらうためにやるのなら、それは良いことだというメッセージを、父からもらいました。コンサートは厳しい状況ですが、みんな良くしたい、勝ちたいという思いでやっているなら、胸を張ってやろうと思えるのは、その言葉がすごく大きいですね」


選手、スタッフが向く方向が重要 それぞれが原点に立ち返る

――コンサドーレの社長として感じる課題は?
「クラブフィロソフィーがなかったので、言語化しました。『赤黒の輪で、北海道の夢をつなぐ』。クラブが存在する意義として定めました。どういうサッカーを見せるのかについてのフットボールフィロソフィー(行動理念)は『走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。』にしました」
――ご自身でその言葉を選んだのですか。
「4月にニセコで経営幹部の合宿を開き、話し合いました。強化部長の竹林京介さんや河合竜二さん、石川直樹さんらです。選手、コーチ、アカデミースタッフにもアンケートを行って、いろいろなワードが出る中で、紡ぎながら作っていった言葉です」
――それによって変わってきたと感じていますか。
「みんなの向く方向です。われわれは何のために存在しているのか、われわれのサッカーは何なのか―に立ち返るところができたのが大きいですね。選手とご飯を食べに行ったとき、フットボールフィロソフィーについて聞くと、『めちゃくちゃいい』『クラブハウスに張ってほしい』『試合前にあの掛け声をしたい』『こういうのがほしかった』という反応です。監督の岩政大樹 さんは『いいですね。笑顔のために。すごく共感します』『コンサドーレらしくて、すごく良い言葉ですね』って言ってくれました。


夢は日本一の栄冠 まちの誇り、夢の劇場となる新スタジアムを

――新スタジアム構想については?
「夢として必ず実現したいと思います。昨年、スタジアム『エディオンピースウイング広島』ができました。広島のまちの誇り、夢の劇場の形で、日常となっていますね。毎週末、そこで試合を見るのは、うらやましく感じます。札幌にもそうしたスタジアムがあれば最高だと、ずっと夢見ています。ただ、現実的にはクラブ、サポーターだけがスタジアムをほしいと訴えても、実現できない。札幌市民、道民、さらに自治体が必要だとならなければならない。クラブは夢をつなぐ会社なので、(新スタジアムの必要性を)発信し続けていきたいと思います」
――北海道コンサドーレ札幌を今後、どういうふうに大きくして、たくさんの人に愛されるものにしたいと考えますか。
「スタジアムは夢の一つですが、やはりタイトルですね。クラブができて30年。まだ日本一になったことがありません。このタイトルは取りたいです。コンサドーレが北海道トップのクラブで、入りたい、プレーしたいという子どもを増やしていくことも、大きな夢だと思います」
――百年先も残る赤黒。サポーターの1人として、応援させてください。

北海道文化放送
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