29日、小笠原諸島に最も接近した台風9号。
週末にかけて関東に接近する恐れが出てきました。

29日午後4時ごろの小笠原諸島・父島の映像には、木が強風にあおられ、横殴りの雨が地面を打ち付ける様子が映っています。

午前5時ごろに最大瞬間風速21メートルを観測した父島。
強風の影響で海は白波が立っています。

雨風の影響が長引く恐れがあるため、通行止めとなっている道路も。

午前中から山間部などの一部で停電が発生し、店はシャッターが閉まり、休業状態となっていました。

スタジオもののふ!・伊藤千恵子さん:
いつもダーッて来て、サーッて去っていくんですけど、ちょっと緩い感じの、強くなったりして、間隔が空いてまた来るみたいな。

父島の北東をゆっくりした速さで北上している台風9号。
最新の予想では、31日まで小笠原近海に停滞する見通しで、週末ごろには関東沿岸部に接近する可能性があります。

矢澤剛気象予報士は、台風9号は動きが遅く、今後の予想がしづらい「迷走台風」だと指摘します。

気象予報士・矢澤剛さん:
夏、特に7月8月は台風が迷走しやすい傾向。東へ進んだり西へ進んだり、行ったり来たりという進路をたどることも考えられます。進路もまだ全く定まっていない状況でして、特に週末、どこに進むかまだわからない状況で注意が必要。

さらに、いったん弱まった勢力が今後、再び強くなる恐れもあるというのです。

「迷走台風」9号についてヨーロッパの当局は、西側の紀伊半島近くを通り、その後、東へとコースを変えて関東の南を通過すると予想しています。

台風の勢力について、矢澤気象予報士は「海水温は結構高い状況が続いていますので、台風がまた発達してくる可能性も十分にあり得る。週末にかけて特に沿岸部を中心に風が強まったり、雨雲も台風の進むコースによっては、どこにかかってくるのかというのが変わってくると思います」と予想。

台風から離れていてもゲリラ雷雨が発生しやすい状況も考えられるため、厳重な注意が必要です。