多くの人が密集して暮らす「都市」の起源に迫る新たな発見です。岡山市の大学などが、約5000年前の西アジアの遺跡で、「都市」の痕跡とみられる巨大な建築物の跡を見つけたと発表しました。
(ノートルダム清心女子大学文学部 紺谷亮一教授)
「この時代のトルコでこれだけ大きな建物は見つかっていない」
岡山市北区にあるノートルダム清心女子大学の紺谷亮一教授らが、7月24日に会見を開き発表しました。
紺谷教授と徳島大学などでつくる研究グループが建築物の跡を見つけたのは、トルコの中部にある約5000年前の集落跡、キュルテペ遺跡です。2024年度、詳しく発掘すると、建築物は中央の高台を囲む直径100メートルに及ぶ円形の巨大なものだった可能性が出てきたということです。多くの人が密集し社会生活を営む「都市」の痕跡とみられるとしています。
世界最古の文明とされるメソポタミアに近いこの遺跡。メソポタミアの「都市」は、川から水を引いて整備した農地の周辺で生まれたとされますが、紺谷教授はこの遺跡の「都市」が別の経済活動で発展した可能性を指摘しました。
(ノートルダム清心女子大学文学部 紺谷亮一教授)
「周辺でスズ・銅・銀・金などの鉱物資源が豊富に発見されているので、交易の主体として「都市」が成立したのではないか」
初期の「都市」の姿について新たな可能性を示した研究グループ。7月31日から再び現地で発掘調査を行い、建築物の全容解明を進めます。