高校再編の議論が進む中、来年度の富山県立高校全日制の募集定員が発表されました。
富山県教育委員会は34校のうち「7校」で定員を減らし、5つの高校では学級数も減らします。
県教育委員会が29日に発表した来年度の県立高校全日制の募集定員は、34校153学級で5926人。今年度と比べて5学級98人減らしました。
募集定員が6000人を割り込むのは統計開始以来、初めてです。




定員が削減となるのは7校で、入善が20人、魚津工業が15人、上市が30人、中央農業が13人、八尾が30人、富山西が20人、伏木が10人減ります。
このうち、入善、上市、八尾、富山西、伏木の5校では、学級数が1学級ずつ減ります。
学級数をめぐっては、地元自治体の反発なども受け、過去2年(24・25年度)は維持したまま定員のみを減らす対応をとってきました。
しかし少人数学級になると国の財政措置が減るため、県の財政負担が増え、今年度の負担額はおよそ1億3000万円でした。
こうした中で、来年度は2023年度以来の「学級数の削減」となり、負担額は減る見込みです。

一方、近年の志願状況を鑑み、募集定員が増えた高校が3つあります。富山いずみは10人、小杉は10人、南砺福野は20人増やしました。

今回の募集定員について県教委は、これまで目安としてきた県立と私立の定員の割合、「公私比率」が撤廃されることや、中学卒業者が今年度より400人あまり減少するといった変化を踏まえ、検討したとしています。
また今回は「生徒のニーズ」に着目。県立の志願者数は近年減少傾向が続き、今年度は平均志願倍率が初めて1倍を割り込みました。(0.99倍)
ただ、学校や学科ごとにばらつきがみられることから、過去4年の志願状況のデータをもとに定員を設定し、ニーズが高かったところは増やしたとしています。
1学級40人を標準としていますが、一方で、私立に少ない職業系の専門学科は、学びの場を確保するため少人数学級とし、学級数を維持したということです。

29日の会議で委員からは、あわせて10校で学級数や定員が増減するという近年では大きな変更であり、高校再編の議論が進む中、中学生が安心できるよう配慮が必要との意見があがっていました。