<J2第20節 藤枝MYFC1-3北海道コンサドーレ札幌>

 明治安田J2リーグ第20節、北海道コンサドーレ札幌(13位)は6月21日(土)、藤枝総合運動公園サッカー場(静岡県藤枝市)で、勝ち点22で並ぶ藤枝MYFC(12位)と対戦しました。

 この試合、左ふくらはぎの肉離れで離脱したGK菅野孝憲選手(41)に加え、ここまで全試合出場を続けてきたMF高嶺朋樹選手(27)とMF近藤友喜選手(24)が、それぞれ累積警告による出場停止とコンディション不良で欠場。

 一方で、左膝前十字靭帯の断裂、腰椎椎間板ヘルニアと度重なる試練から復帰を遂げたGK高木駿選手(36)が2023年シーズンのJ1最終節以来の出場。PK戦までもつれ込んだ天皇杯2回戦vs大分トリニータにフル出場したDF西野奨太選手(21)、8試合ぶりの先発出場となるFW白井陽斗選手(25)らがスターティングイレブンに名を連ねました。

 リーグ前半戦の19試合で、1試合の平均得点はリーグ9位タイの1.16と、攻撃的フットボールを標ぼうしながらも、その攻撃力が鳴りを潜める今シーズンのコンサドーレですが、リーグ後半戦のファーストゲームで、その本領を発揮します。

 立ち上がりの前半7分、DF高尾瑠選手(28)の折り返しを、FWアマドゥ・バカヨコ選手(29)がジャンピングボレー。惜しくもクロスバーを叩きます。さらに前半14分には、アマドゥ・バカヨコ選手のクロスをMF長谷川竜也選手(31)が合わせに行きますが、惜しくもシュートとはならず。ネットを揺らすには至らないものの、試合序盤から藤枝ゴールを脅かし、得点の香りを漂わせます。

 すると、前半22分。パスの出し手を探す藤枝のGK北村海チディ選手に、長谷川選手がプレッシングをかけ、パスミスを誘発。これをカットしたMF青木亮太選手(29)がダイレクトでループシュートを放つと、ボールは無人のゴールへ吸い込まれ、コンサドーレが先制。高いキック精度を誇る青木選手のロングシュートには岩政大樹監督(43)も「芸術品。見惚れていました」と称賛しました。

 エンドが変わった後半4分、左サイドでボールを受けた青木選手が、逆サイドを駆け上がる白井陽斗選手へパスを送ると、角度のないところから右足を振り抜き追加点。「なかなかゴールが生まれない中でチャンスを外すシーンもあって、非常に苦しい時間を過ごしていた。色んな声が彼に届いていたというのを聞いています」と指揮官が明かしたように、今月加入したばかりのFWマリオ・セルジオ選手(29)を除いたFW登録選手で唯一、今シーズンの公式戦で得点がなかった白井選手。苦悩を経て、掴みとった待望の瞬間に、「今まで苦しかったので。ここで一発決められてよかった」と胸を撫でおろしました。

 その後、PKで1失点を許したものの、DF家泉怜依選手(25)を投入し、DFラインを4バックから3バックに変更する守備的戦術を敷くなど、後半アディショナルタイムに同点ゴールを許した前節の教訓を糧に、確実なゲームクロージングを狙います。

 藤枝の猛攻を耐え続けた後半アディショナルタイム、この試合がリーグデビュー戦となった新加入のFWマリオ・セルジオ選手が相手選手に競り勝つと、途中出場の原康介選手(19)がGKへのバックパスに猛然とチェイスを仕掛け、冷静にループシュート。プロ入り後に公式戦であげた5得点のうち4得点が後半30分以降のゴールと、試合終盤に無類の決定力を発揮する若きアタッカーの大きな追加点で勝敗は決し、コンサドーレがリーグ4試合ぶりの勝ち点3を手にしました。

 6位のジュビロ磐田が勝利したため、J1昇格プレーオフ出場圏との勝ち点差は10のまま縮まらなかったものの、逆襲を期す後半戦を勝利でスタートさせたコンサドーレ。次節からはホームでの2連戦。決勝点をあげた白井選手は「ホームでは絶対に負けられないし、引き分けも許されない。自分のゴールで勝てたら」と、リーグ後半戦19試合中11試合が行われる命運をかけたホームゲームへ、闘志を燃やしました。

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。