7月20日の投開票が有力視されている参議院選挙まであと1か月。
最大の争点となりそうなのがコメ問題です。
価格が高騰する中、有権者は何を求めるのか。そして、候補たちは何を訴えるのでしょうか。
「私もコメを買ったことがない」(江藤拓前農水相)
コメ価格の高騰に苦しむ国民の怒りに、火をつけた農林水産大臣の発言。辞任を余儀なくされ、後任には、
「とにかくコメだと。コメ担当大臣だと」(小泉進次郎農水相)
政府備蓄米の随意契約による放出で価格は下落傾向に。
FNNが6月に行った世論調査では、石破内閣の支持率は5月より5.3ポイント上昇しました。
参院選に有権者は何を求めるのでしょうか?
消費者はコメ価格について。
「3000円を切ったらうれしい」(消費者)
生産者は経費の値上げに苦しんでいます。
「価格保障や所得補償など、農家が安定して生産を続けられるような政策を行ってほしい」(旭川市の稲作農家 川添宏明さん)
コメの流通の現場からは。
「55年間にわたって続けられてきたいろいろな仕組みが、もうそろそろ時代に合わなくなったのではないか」(松原米穀 松原昌子専務)
「国民がいくらくらいの金額のコメだったら納得して買えるか。そういった価格をどうつけるのか、今後注目して見ていきたい」(キテネ食品館 中塚誠社長)
候補者は有権者の思いにどう応えるのでしょうか。
自民党の現職、高橋はるみさん。これまで自民党が進めてきた減反政策から増産に舵を切る動きについて。
「生産調整をすぐやれ、増産しろ、減らせなど、これは農業の現場をわからない人の議論。基幹産業としての農業をいかに北海道で守るのか、食料供給基地としての責任を国民に対して果たしていくのか。腰を据えた議論をしっかりしていきたい」(自民党 高橋はるみ氏)
自民党の現職、岩本剛人さん。随意契約などの取り組みを評価しつつも、生産者が守られる価格の維持も重視しています。
「コメ対策は小泉農水相がしっかり対応している。北海道の農業をどう守っていくのか、営農できる形をどう進めていくのかを訴えて理解してもらいたい」(自民党 岩本剛人氏)
立憲民主党の現職、勝部賢志さん。これまでの減反政策を批判し、生産者には直接的な支援が必要だと訴えます。
「減反政策だけで取り組んできた結果、コメが不足している。しっかりコメを作ることができる農業経営を、私たちが支えねばならない。(補助金などの)直接支払制度などで所得を安定させていく」(立憲民主党 勝部賢志氏)
国民民主党から立候補を予定している新人の鈴木雅貴さん。コメ価格の上昇をカバーできる所得増加を訴えます。
「(収穫量を)調べて減反政策が間違っていたのか、増やさなければいけないか考えねばならない。国民民主党は手取りを増やす政策を掲げている。コメの価格が上がっても、国民の所得も上がっていれば問題なかった部分もある」(国民民主党 鈴木雅貴氏)
北海道選挙区にはこのほか、以下の7人が立候補を表明しています。
オカダ美輪子氏(維新・新)
宮内史織氏(共産党・新)
野村パターソン和孝氏(れいわ・新)
田中義人氏(参政党・新)
小野寺秀氏(保守党・新)
高杉保次氏(改革党・新)
稲原宗能氏(みらい・新)
与野党どちらが過半数の2議席を獲得するかが焦点となります。専門家は今回の参院選の重要性を指摘します。
「衆議院で与党が過半数割れしているので、与党だけで物事を決められる状況にない。野党が主張している政策も、十分実現の可能性がある。これまで以上に真剣に考える価値がある」(国学院大学 山本健太郎教授)
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