仙台医療圏の病院再編をめぐり、総合病院の公募を行っていた富谷市は、締め切りとなる6月20日午後5時までに、2つの事業者から応募があったと明らかにしました。

20日午後5時半ごろ、取材に応じた富谷市の若生裕俊市長。

富谷市 若生裕俊市長
「本日午後5時段階で、仙台医療圏内に病院を開設している2事業者から応募をいただいたことを報告します」

長年の悲願だった総合病院の誘致が“現実味を帯びてきました。

そもそも、富谷市には県が主導した4病院再編構想で、青葉区台原にある東北労災病院が移転する予定でした。しかし、5月にこの計画が頓挫し、富谷市は用意していた土地に別の総合病院を誘致しようと、6月5日から公募を開始。その条件として、開院時の病床数が100床以上で救急患者を24時間受け入れられる仙台医療圏の病院としていました。

その理由、それは救急搬送にかかる時間にあります。富谷市を含む黒川地域では、救急搬送にかかる時間が県平均の41.7分を上回る44.8分で、若生市長は過去に患者が搬送中に亡くなる事案があったと訴えています。

市によりますと、公募の締め切りとなる20日までに、仙台医療圏の2つの事業者から応募があったということです。具体的な事業者名は、現時点では明かせないとした上で、今後、選定委員会を設け、8月20日にも公表する方針です。

富谷市 若生裕俊市長
「救急搬送時間が長時間化している富谷・黒川地域の住民の生命、健康を守るとともに、地域の医療提供体制向上と医療資源の最適活用を図るため、総合病院の立地に鋭意取り組んでいく」

そして、先ほど村井知事が仙台放送の取材に応じ、「うまくいけば希望の光になる」と期待感を示しました。

宮城県 村井知事
「複数、手が上がって良かったと思います。登米市と黒川4市町村がしっかりと審査をして良い病院を選んでほしいなと思います。黒川郡に住んでいる住民の皆さん、救える命が救えなかったことに対して、今回、非常に期待していたと思います。これでうまくいけば希望の光になるのではないか」

仙台放送
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