病気を乗り越え…９９歳の劇団看板俳優、約２年ぶりの舞台に
老いや認知症をテーマに演劇をする岡山の劇団「ＯｉＢｏｋｋｅＳｈｉ」。９９歳の看板俳優が６月、約２年ぶりに舞台に立ちました。病気を乗り越え、再び輝き始めました。
妻を亡くし…９９歳になった看板俳優の岡田忠雄さんは施設へ
岡山市の岡山芸術創造劇場ハレノワで上演されたのは、老いや認知症をテーマに演劇をする岡山の劇団「ＯｉＢｏｋｋｅＳｈｉ」の新作「恋はみずいろ」です。
看板俳優の岡田忠雄さんは５月に９９歳になりました。劇団の主宰、菅原直樹さんと出会い１１年、岡田さんは、数々の舞台に出演してきました。
長く岡田さんが介護を続けた妻は２０２３年に他界。その後、岡田さんは体調を崩し入院、一人暮らしにも限界を迎え、２０２４年、施設に入ることになりました。
（あゆむの家管理者 柴山祐一郎さん）
「今でも筋力の低下はある。年齢的な部分を考え、安全に安心して暮らしてもらえおうとこちらで生活してもらっている」
「頑張りましょう。命だ！」クライマックスの大役に…主治医「９９歳なので心配」
今回の舞台は、岡田さんにとって約２年ぶり。再び舞台へ！岡田さんは稽古を続けてきました。
【６月１４日・初日】
（菅原直樹さん）
「本番は２時間後」「岡田さんお願いします」
（岡田忠雄さん）
「劇団の皆さん、頑張りましょう。命だ！」
（あゆむの家管理者 柴山祐一郎さん）
「岡田さんの主治医です」
（岡田さんの主治医 橋本健二医師）
「９９歳なので心配ですね。この１年の中でもすごいいろいろあったので。頑張ってほしい」
物語の舞台は老人ホーム、そこで出会う人たちを通して家族のあり方を考えるというストーリー。岡田さんは、クライマックスに登場し、娘への思いを表現する重要な役どころです。
日常では不自由なこと増えるも…芝居ににじみ出る９９年の人生に周囲は感動
日常では不自由なことも増えました。でも、岡田さんの芝居からは、９９年の人生がにじみ出ています。
（観劇した人は…）
「見る側としてもおかじい（岡田さん）久しぶりと思っている。本人もきっとそうだろう。すごく良かった」
「すごい、こちらが恥ずかしくなる。もっと元気出して頑張らないといけない」
〇花束を送る施設スタッフと主治医
「おめでとうございます」
「みんな来たよ」
「おめでとうございます」
「ああ橋本先生じゃが」
（岡田さんの主治医 橋本健二医師）
「むちゃくちゃ良かった。本当にプロの演技を感じた、すごくうれしかった。泣きそうになりました」
負担のかかる県外公演に「死んでもいきますよ。倒れてもいい」主治医も“条件付き”でＧＯサイン
実はこの舞台、７月に福岡県久留米市での公演も控えています。岡田さんの出演は、移動や宿泊に負担がかかるため体調を見ながら進めていくことになっています。
（あゆむの家管理者 柴山祐一郎さん）
「気持ちは行ってほしい、それで本望。元気が出るのであれば岡田さんらしい人生」
（岡田さんの主治医 橋本健二医師）
「僕も準備して、手紙や紹介状などを用意して、施設の人たちがオッケーであれば前向きにドクターストップかけずにいきたい」
（劇団スタッフ）
「岡田さんは久留米も行きたい？」
（岡田忠雄さん）
「もちろん行くよ、死んでもいきますよ。倒れてもいい」
９９歳の看板俳優はいまも現役！
（岡田忠雄さん）
「心は１８歳」
岡田さんの芝居が、多くの人の心を動かします。
