まるで“クラゲ漁”。愛媛県四国中央の沖合の燧灘(ひうちなだ)で20日、いりこの原料になるカタクチイワシの漁が解禁されました。しかし初日は網がクラゲで埋まり例年にない不漁に。漁師たちからため息が聞かれました。
四国中央市沖の燧灘は全国有数のカタクチイワシの漁場とされ、解禁日の初日は朝早くから、市内から28隻が漁に出ました。漁の方法は2隻が1組となり400メートル程の網で魚の群れを獲る「パッチ網漁」。引き寄せられた網には、例年のように無数のイワシの群れが海面を銀色に染めるはずだったものの、今回は異変が…。
漁師:
「クラゲがすごい」
網を埋め尽くしていたのは、漁のやっかいもの「クラゲ」でした。カタクチイワシはクラゲの間にわずかしか確認できません。まるで「クラゲ漁」のようです。
あまりに多いクラゲに漁師たちから聞こえたのはため息。全てを運んで帰れないため一部を網の外に出し、残った中身を運搬船の水槽に詰め込んでいきました。水槽はほとんどはクラゲです。
漁師:
「こんなひどいことはなかった。いつもはもっと獲れる」
水揚げされたカタクチイワシは、加工場へすぐに運ばれ一気に釜ゆでに。この一方で、スタッフたちが大量のクラゲを取り除く作業に追われていました。
JFえひめ川之江支所によりますと、初日のカタクチイワシの水揚げは去年の10分の1程。解禁日の水揚げが不漁の年は、厳しい傾向といいます。
JFえひめ川之江支所・三好猛支所運営委員長:
「クラゲが大量発生している状況で、操業に大変支障をきたしている状況です。需要の方が大変(多く)供給の方が足りてない状況で、これから業者に届けられるようないいものを獲れるよう(今後に)期待しています」
近年はいりこをふんだんに使うラーメン店が増えるなど、供給が追い付かないほど需要が高まっているということです。
四国中央市のカタクチイワシ漁は8月いっぱい続きます。
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