携帯電話の普及により、今ではあまり見かけることがなくなったのが「公衆電話」です。久しく使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。
「絶滅危惧種」ともいわれるこの公衆電話、実はいざという時には安全を守る「命綱」にもなるんです。

街中にたたずむ公衆電話、かつては街角にあちこちにありましたが、今では見つけるのも難しくなっています。
NTT西日本によると、日本国内の公衆電話の数は1983年の93万台をピークに年々減少。
その後、携帯電話の普及が追い打ちをかけ、2023年には11万台と実に9割も減少しました。

NTT西日本鳥取支店公衆電話営業担当・西村一義担当課長:
ここ20年間で利用率も98%激減ということで撤去が進んでいます。

3年前、電気通信事業法が改正され設置基準が緩和されたことから、今後10年かけて現在の4分の1にまで台数が減らされます。
現在は約700台と全国で3番目に公衆電話が少ない鳥取県。
かつて、鳥取駅前には「麒麟獅子」、境港市には「鬼太郎の家」などユニークな「ご当地電話ボックス」もありましたが、老朽化で撤去が進み、鳥取県内では2032年までに約230台にまで減らされることになっています。
ますます姿を見かけなくなる公衆電話に実はこんな機能があります。

NTT西日本鳥取支店公衆電話営業担当・西村一義担当課長:
停電でも公衆電話使えます。あと110番や119番も受話器をあげれば(無料で)つながります。

実は災害などの非常時に強いのです。
災害発生直後など通話が集中する場合、一般の固定電話や携帯電話は通信規制がかけられますが、公衆電話は優先的に回線が確保され通話が可能です。
そんな、もしもの時に強い公衆電話、生まれた時から携帯電話があった若い世代は。

女子高生:
(お金入れて戻ってきて…)あれ?あ、受話器あげてからか。

20代男性:
(お金入れて戻ってきて…)ん?あ、受話器あげてから。

女子高生:
(お金入れて戻ってきて…)あれ?

8人のうち半数は受話器を上げる前に硬貨を入れてしまうなど少しとまどったものの全員、使うことができました。

Qあんまり使わない?
女子高生:
使ってないですね。

Q110番、119番は無料でかけられるの知ってた?
女子高生:
ええ!!ボタン押せば?ええー知らなかった、すごい!

Q停電してても使えることは知ってた?
女子高生:
全然知らなかった。すごい便利だしもっと公衆電話あってもいいんじゃないかなと思った。

20代男性:
かなり前に、子どもの時に使ったことがあったけど、今は使わないじゃないですか。固定電話ないし。年々数が減って来てうちの近所も撤去されたし、残したほうがいい。もしもの時のために。

受話器をあげて10円硬貨を投入、相手の番号を押せばつながる。
かつては当たり前のように知られていた公衆電話の使い方ですが、今の若い世代にとっては必ずしも当たり前ではないようです。

NTT西日本鳥取支店公衆電話営業担当・西村一義担当課長:
お子さんやお孫さんにも使い方を教えてあげていただいたり、あと、ホームページに公衆電話のマップもありますので、近所のどの辺に公衆電話があるかというのも確認して相談してほしい。

災害時に無料で伝言を残せる機能もあり、日頃から公衆電話がどこにあるか確かめ使い方も知っておけば、スマホ全盛の今も家族の安否を確かめられる「命綱」になります。

NTT西日本鳥取支店公衆電話営業担当・西村一義担当課長:
いつもはあまり意識されないと思いますが、災害とかの時には本当にとても強い味方なので、こういった機会に家族皆さんで一度は話し合って備えてほしい。

TSKさんいん中央テレビ
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