原爆投下から80年。
今回の広島訪問の意義について、元広島市長に聞きました。
元広島市長・平岡敬氏(97):
天皇家の重い歴史です。あの戦争は。ずっと背負っていくというか。
平岡敬元広島市長。
31年前の1994年、両陛下が初めてそろって広島を訪問された際、市長として原爆慰霊碑に同行しました。
その後も度々案内した中で、忘れられない出来事は1996年のことでした。
元広島市長・平岡敬氏:
7月に「希望のヒロシマ」という本を出したんですね。(上皇さまが)この本を読んでおられたんですよ。「皇太子(当時)が読むよう勧めてくれたんだ」とおっしゃった。
子から父へと渡された、核兵器のない世界を願う1冊の本。
皇后雅子さまも読まれたことを知り、被爆地への強い思いをご家族で共有されていると、平岡さんは実感したといいます。
原爆投下から4年後の昭和24年、当時15歳の上皇さまは初めて広島を訪れ、市民に呼びかけられました。
上皇さま:
その惨劇に二度と人類をおとしめぬよう、大きな力とならなければならないと思います。
その後も10回広島訪問を重ね、犠牲者に祈りをささげ続けられた上皇さま。
愛子さまもまた、中学3年の修学旅行で広島を訪れ、「世界の平和を願って」と題した作文を寄せられています。
平和への強い思いは、孫の愛子さまへ、受け継がれています。
元広島市長・平岡敬氏:
愛子さまもそういう思いがあるからこそ、平和が大事だと言われたのだと思います。
世界情勢も緊迫する中で、両陛下の広島訪問の持つ意味とは。
元広島市長・平岡敬氏:
ヒロシマに来てあの戦争を思い起こし、2度と過ちを繰り返さないんだと。陛下もやっぱり戦争はだめなんだということを、きちんと国民に示しておられるのだと私は受け止めます。
陛下にとって11回目となる広島訪問。
天皇として初めて、被爆地の思いに向き合われます。