鹿児島県が整備を予定する新たな総合体育館についてのニュースです。
今議会には建設に賛否を示す県民からの陳情が80件以上寄せられています。
異例とも言える数の意見が寄せられる中、18日の県議会の文教観光委員会では体育館に関する論戦が交わされました。
県は鹿児島市のドルフィンポート跡地に新たな総合体育館を整備する予定で、全体の整備費は当初の313億円から488億円まで膨らむ見通しが示されています。
整備費はさらに膨らむ可能性もある中、県議会の6月議会には体育館の建設費を詳細に示すための設計費や調査費として、約9億円を盛り込んだ補正予算案が提案されています。
18日の県議会文教観光委員会ではこの予算案について議論が交わされました。
永井章義 委員
「積算してみたら莫大な事業費になってとても建設ができないと、もし事業が否になった場合にこの設計費は無になるのでは」
県観光・スポーツ部 桑代毅彦 部長
「設計費がいかされるよう、県としては最大限努力してまいりたい」
松田浩孝 委員
「行政は後戻りしないタイプが多い。ここが限界点で「これ以上は県政に影響与える」というのは持っていたほうがいい」
県財政課・陸川諭課長
「10億円程度であれば財政運営は可能」
また、体育館の建設を巡っては委員会に85件もの陳情が寄せられています。
このうち計画の見直しなどを求める陳情は51件で、「ドルフィンポート跡地はもっと有効活用できる場所」「建て替えには賛成だが、場所や規模は見直すべき」といった意見が出されています。
これに対して県当局はー
県観光・スポーツ部 桑代毅彦部長
「ドルフィンポート跡地が交通利便性に優れ、周辺に宿泊商業施設が多く利便性が高いこと、経済波及効果が期待できることなどから、他の候補地と比較して最も優位」
この他、賛否を問う県民投票を求める陳情も多く提出されていますが、県は「慎重に判断すべき」としました。
県観光・スポーツ部 西博夫参事
「県民投票の主旨である、県民の皆さまの意思を施策に反映するよう努めてきた。この段階で単にスポーツコンベンションセンターを整備するか否かについて県民投票を行うことは慎重に判断すべき」
午後1時半ごろから始まった体育館に関する議論は約4時間にわたりましたが、18日は採決まで行われませんでした。
委員会は20日、予算案と陳情に関して追加の議論を行い、採決を行う予定です。
今回提出された陳情にどのような結論を出すかが、体育館に対する県議会の態度を私たちが把握する指標になるため、20日の結論に注目です。