連日、暑い日が続き、18日も鹿児島県内では20の地点で最高気温が30℃を超える真夏日となりました。
平年より気温の高い日が続く中、注意が必要なのが熱中症です。
こちらのグラフをご覧ください。
消防庁がまとめた県内の熱中症の搬送者の数を週ごとに見てみますと、5月以降、徐々に増え始めているのが分かります。
そして6月に入り、先週は1週間で55人と数字が大きく伸びたことが分かります。
6月1日から職場での熱中症対策が法律で義務づけられる中、県内の工事現場では作業員の命を守るため、どんな取り組みが行われているのか?取材しました。
多田百合香記者
「鹿児島県薩摩川内市湯田町にある工事現場です。こちらでは温度や湿度を感知する温度計を設置し、熱中症対策に取り組んでいます」
鹿児島市に本社を置く建設会社、渡辺組ではこの場所で新しいインターチェンジをつくる工事を5月から始めました。
炎天下での作業が想定される工事現場ではハード、ソフトの両面で様々な熱中症対策がとられています。
まずはハード面です。
事務所の前では温度や湿度などを元に、WBGTと言われる「暑さ指数」を計測し、熱中症リスクを表示する機器が設置されています。
また、全ての作業員が腕につけているのは脈と体温から体の異変を察知し、本人に音や振動で伝える機器です。
渡辺組・羽生豊和 土木主任
「水分補給のための設備として冷蔵庫に冷えているスポーツドリンクや、熱中症にかかった場合の(保冷剤などの)冷却用品も常備している」
冷房で17度に設定された休憩所には、塩分摂取のための食べ物や飲み物も準備されていました。
そしてソフト面では2人、もしくは3人一組でチームを作り、体調に変化があれば早めに気づける仕組みを取り入れているほか、仮に作業員が体調不良になった場合は、その後回復しても大事をとって、その日は帰宅させるといった取り組みも行っているということです。
渡辺組・城信也係長
「体制の整備と手順の作成、あともうひとつが作業員に対する周知です。毎朝の朝礼やKY活動(危機予知活動)、毎月の会議と昼の打ち合わせで何度も繰り返し周知しています」