7年前に行方不明の女性を殺害した疑いで逮捕された男が「通り魔をして人を殺すのは捕まるリスクが高いと思い、自殺願望者を探した」などと話していることがわかった。
卒業文集に書かれた夢と目標
警察署を出る車の後部座席に座っていたのは、髪の毛を後ろで結び、メガネ越しに、まっすぐ前を見つめる男…。
さいたま市のマンションの一室で、宮本果歩さん（当時21）の首を絞めるなどして殺害した疑いで逮捕された、斎藤純容疑者（31）です。
車内から、集まった報道陣に何度も目を向けながら18日朝、殺人の疑いで検察に身柄を送られた。
7年前の2018年1月、茨城県内の自宅から行方不明になり、首を絞められ殺害されたとみられる当時21歳だった宮本果歩さん。これは、中学時代に撮影された写真。
そしてこれは、宮本さんが綴った中学校の卒業文集。書かれていたのは、将来の夢と目標だった。
「一つは老人ホームへ行っておじいさんおばあさんたちを楽しませるということだ」
「私はもう高校生になるし可愛げの欠片もないが、まだ子どもだ。子どもと話したり遊んだりすることで楽しいなと思ってくれたらいいなと思う」
「二つ目は声優になることだ」
「ずっと続けられる声優」「たくさんの人に私の声が好きだって言ってもらえる」「そんな声優に私はなる」
しかし宮本さんが思い描いた夢が、叶うことはなかった。
「自殺願望者を探す方法に辿りついた」
事件が発覚したきっかけは5月、別の女性からスマートフォンを盗んだ事件で、斎藤容疑者が逮捕されたことだった。
この窃盗事件について斎藤容疑者は…。
「女性のスマホに興味があった」「通り魔の犯行を練習するためだった」と供述。
そして、この事件の捜査で警察が斎藤容疑者の部屋を捜索したところ、飾り棚の中に並べられた複数の頭蓋骨が見つかった。
鑑定の結果、頭蓋骨のひとつが、7年前に行方不明届が出されていた宮本さん（当時21）のものと特定された。
斎藤容疑者の人物像について、小学校時代の同級生はこう話す。
小学校の同級生：
小学校のときに一緒で隣の席のときもあったんですけど、その時、私が教科書忘れたときでもやさしく見せてくれたりとかしてて。別にこれと言って変な雰囲気とか持ってない印象でした。
そして、新たに捜査関係者への取材で明らかになったのが、宮本さんを殺害した動機に関する重要な供述。
「通り魔をして人を殺すのは、リスクが高いと思い諦めた」
「そこで自殺願望者を探す方法に辿りついた」
「自殺願望者であれば警察の捜査も私まで届かず、好都合だった」
警察は、宮本さんに自殺願望があったかどうか慎重に調べを進めるとともに、計画的な犯行だったとみて、事件の経緯を調べている。
（「イット！」6月18日放送より）
