季節外れの暑さが続く中、都内のある地域でもう1つの熱い戦いが起きています。

18日の「ソレってどうなの?」は、「なぜ?タワマンの街で八百屋“安売り合戦”」をテーマにお伝えします。

店の軒先に野菜や果物がずらりと並んだ八百屋。
18日も新鮮な野菜を求めて多くのお客さんが訪れていました。

再開発が進む東京・武蔵小山エリア。
品川区と目黒区にまたがるこの場所は、タワーマンションが立ち並び、交通の便もいい人気の地域です。

そんな武蔵小山駅や西小山駅周辺で、ここ数年、八百屋が激増しているといいます。

街の人に話を聞くと、「八百屋さんが結構増えた。スーパーより安い」「ここ半年くらいで増えてると思って、通っている。今3軒目。良さそうな物と値段を見て、『今日はこっちがいいかな』と選んで買ってる」と話します。

そして、中には遠征をして来るという人も。

女性は「世田谷に住んでいるが、安い八百屋さんがいっぱいあるので友達と来た。タマネギもこんな安い、これ98円、4つ。世田谷だと1つ100円しますよ」と話していました。

2024年10月にオープンしたお店は、2025年3月にも新しい店舗を開店させています。

この地域で70年店を営んでいる店長の西沢さんも、最近、八百屋が増えたといいます。

三金・西沢好晴店長:
武蔵小山には(八百屋が)増えた。「やっていける」という確信を持ったのでは。人が通るところに(店を)出さないとというのがある。そういう意味では駅の周辺っていうところがチャンスっていうかな。

武蔵小山エリアにある八百屋の数は、番組が調べたところ、何と10軒以上もありました。

八百屋がこのところ急増している理由は一体何なのでしょうか。

三金・西沢好晴店長:
八百屋は例えば、がらんと空いていれば、そこに台を並べればできる商売。肉や魚店は、店を出すのに設備投資をしないといけない。冷蔵庫、ショーケース、衛生面で言えば保健所の検査。そういう点を考えると、八百屋の方が出しやすい。仮に野菜のことを知らなくても売れる。

そして今、外国の人が経営する八百屋も増えているそうです。

ネパール人の店長・アソクさんは2024年に八百屋をオープンさせましたが、その理由について聞くと…。

矢口青果 店長・アソクさん:
商店街の人通りが多い、朝晩。それで(社長が)気になってオープンした。駅の周りも大きいマンション立っているので、その影響で新しい、若い人がどんどん増えている。

その結果、周辺に多くの八百屋が乱立。
競争が生まれているようです。

矢口青果 店長・アソクさん:
いい物を売れば必ずお客さんは入る。安く仕入れて安く売る、利益少なく、人件費もかけないように。

青井実キャスター:
パックン、外国人オーナーも出店ということですが?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
いいじゃないですか。スーパーしかないアメリカから来た僕にとっては、こういう肉屋さんとか魚屋さんとか八百屋さんという近所密着型の個人経営のお店があるのは非常にありがたいですね。なくなった地域も多いから、うらやましい方は多いんじゃないかと思います。

専門家の永濱さんよると、他にも八百屋が増えている理由があるそうです。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:
(タワマンは)住宅が集積しているので、そういった意味では非常に集客の効率性が高い。スーパーマーケットは定番商品が豊富だったりするが、八百屋の方が価格の設定も変更がしやすい、柔軟性が高い。日替わりとか時間帯割引とか交渉の余地がある。物価高の中で嗜好されやすい。

再開発が進む、この東京。
今後、タワマンのある場所に出店する八百屋がさらに増えていくのかもしれません。