イランがイスラエルに向けて発射したミサイルが病院に着弾。多数の負傷者が出ています。

現地メディアによりますと、19日朝、テルアビブ近郊のラマトガンにある集合住宅にイランのミサイルが着弾し6人が負傷しました。

周辺に位置するイスラエル国防省を狙ったミサイルがそれた可能性があります。

また、中部と南部の2つの病院にもミサイルが着弾し、数十人が負傷、うち3人が重傷だということです。

こうした中、日本政府は19日、イスラエルからの退避を希望する日本人に陸路でヨルダンに向かうバスを用意しました。

退避する日本人：
（退避できて）うれしいが、妻が残るので心配。

イスラエルではイランとの交戦が始まって以来、空港が閉鎖していて、空路での退避ができなくなっていました。

ヨルダン行きのバスは先ほど出発し、19日のうちに首都アンマンに到着する予定です。

ここからは中東情勢に詳しいSPキャスター・柳澤秀夫さんとお伝えしていきます。

青井実キャスター：
空港が閉鎖されて空路が使えないということで、陸路による日本人の退避が始まっているという状況です。

SPキャスター・柳澤秀夫氏：
イスラエルからヨルダンに抜けるルートは私も何度も通過しているんですが、比較的移動距離が短くて、道もかなり整備されていますので、そんなに困難な移動ではないと思います。ただ問題は、イランから国外に出る。これはテヘランからしても移動距離が長いですし、イスラエルからの攻撃が続いていますから、むしろイランからの国外脱出の方が大変だと思います。

フジテレビ国際取材部・佐々木デスクによると、「イスラエルはイランの制空権を掌握して迎撃の心配がほぼなく、イラン国内への爆撃を拡大させている。イランはかなり追い詰められている状況ではないか。ただし、核施設だけは地中深くにあるので、決定的なダメージを与えるのが難しいとみている」ということです。

その中で注目していきたいのが、アメリカのトランプ大統領の動きです。

18日、複数の現地メディアが「トランプ大統領がイランの核施設への攻撃を検討している」と伝えたわけですが、その後、イランの核施設への攻撃を含む対応について、トランプ大統領は「最終決定はしていない」という話でした。
さらに、イランの無条件降伏を繰り返し主張し、「来週は非常に重要な週になる。1週間以内かもしれない」という発言をしています。

青井実キャスター：
トランプ大統領はイランへの攻撃に踏み切るのか、どうでしょう？

SPキャスター・柳澤秀夫氏：
トランプ大統領、一流の圧力の掛け方だと思うのですが、攻撃の可能性はかなり高いように私は個人的に思っています。「1週間以内かもしれない」と言っているのは、アラビア海にアメリカの空母を2隻体制にする。それで攻撃態勢を整えるということは、1隻は南シナ海、ベトナム沖にいたんですよ、これがアラビア海に到達するまでに1週間ぐらいかかるということで、態勢を整えてからということだと思います。

軍事介入はイランの今後の出方次第という見方もできますが、イランはアメリカとの会談を希望しているという情報もあります。

はたして今後、イランが核開発をやめて無条件降伏する可能性があるのかどうか、国際取材部の佐々木デスクは「イランは窮地に追い込まれている。今は交渉の場に出ざるを得ない状況にあり、外相をはじめとして外交的な動きが出てきている。一方で、イランで30年以上にわたって絶対的な権力を持ち、君臨してきたハメネイ師は強硬姿勢を貫いている。このハメネイ師の今後の判断が焦点」と話しています。

宮司愛海キャスター：
柳澤さん、イランの外相は20日にもジュネーブでドイツやフランス、イギリスと核協議を行う予定だと報じられていますが、今後のイラン側の動きはどういうふうに考えますか？

SPキャスター・柳澤秀夫氏：
イラン側は平和的な核開発は絶対に続けると言っているんですが、それを残すと核開発・兵器開発につながりかねないという危惧がイスラエルなりアメリカにある状況なので、その橋渡しをヨーロッパとの外相会議のところでできるのかどうか。それと将来的に、イランが核兵器は開発しないという保証を本当に取り付けることができるかどうか。それはなかなか証明するのは難しいですから、その辺が鍵になってくるということでいうと、今ボールはイラン側にあってそれをどう返すのかと。

青井実キャスター：
その中でもアメリカの出方は気になるわけですか？

SPキャスター・柳澤秀夫氏：
アメリカは、トランプ大統領は腹は決めている、そのタイミングだけの問題だということなので、思い切りプレッシャーをかけて、だめな場合には最終的には…ということになると思います。