「アウトドアで防災を考える」は前週に続き「災害時の食」についてお伝えします。日常でも簡単に作れるのはもちろん、災害時には日常と変わらない味を再現。耐熱のポリ袋を使った「鶏肉料理」を、日本赤十字東北看護大学介護福祉短期大学部の講師・及川真一さんに教えてもらいました。
熱に強いポリ袋を使用して作るのは「鶏のさっぱり煮」と「よだれ鶏」です。材料は鶏むね肉、手羽元各種、調味料です。
まずは「鶏のさっぱり煮」。たれから作ります。
耐熱のポリ袋に、しょうゆと酢を大さじ2、水と砂糖を大さじ1、チューブのニンニクとショウガを約2センチずつ入れます。これをしっかりもんで、たれは完成です。
次に、手羽元の水分をふき取り、たれの中に入れます。
味が染み込むようにもみ、空気を抜きながら袋の上の部分をしっかり結んだら、湯せん前の準備は完了です。
続いて「よだれ鶏」です。まずはたれから。しょうゆが大さじ2.5、みりんが大さじ2、料理酒と酢が大さじ1、これを混ぜ合わせます。
鶏むね肉の水分をしっかりふきとったら、柔らかく、かつ味の入りをよくするためにフォークで刺して穴を開けます。
砂糖とニンニクを小さじ1ずつ、肉の両面にまぶします。完成したたれに鶏むね肉を入れ、準備完了です。
手羽元は沸騰した湯で20分湯せん。鶏むね肉は3分湯せんして、火を止めたら鍋の中で40分寝かせます。
湯せんをして20分で「鶏のさっぱり煮」が完成。一方、鶏むね肉は鍋で寝かせて40分後、鍋から出して切ってみると十分に火が通っています。
及川さんは「白ゴマとネギ、ラー油はお好みで。実際にたれに漬け込んでから使ってもいいし、後からかけてもいい」と教えてくれました。
たれと一緒に白ゴマ、ネギ、ラー油をかけたら「よだれ鶏」も完成です。
耐熱に優れたポリ袋で調理しているので、洗い物はほぼありません。油を一切使わずに作ることができ、食欲をそそる出来栄えです。
それでは、鶏のさっぱり煮から試食です。しっかり肉に火が入っていて、味もしみ込んでいて、家庭の味とほぼ一緒です。
よだれ鶏もとてもおいしく、ご飯にもよく合います。災害時だけでなく、普段から家で簡単に作れそうです。
及川さんは「かなり簡単にできたと思うので、家庭で耐熱に優れたポリ袋を使って色々な料理にチャレンジしてもらいたい」と話しています。