新潟県佐渡市の両津港で耐震化などを目的とした工事が計画されていますが、行政と加茂湖でカキの養殖などを行う漁協との間の協議が不調に終わり、着工が大幅に遅れる見通しとなっています。
ここ数年、不良が続いているのが佐渡市の特産としてしられる加茂湖のカキ。
その加茂湖にさらに影響を与えるのでは?と危惧されているのが防災機能の強化を目的とした両津港南ふ頭の再編工事です。
【漁師】
「この湖が死んでしまう」
【漁師】
「今の状態でいけば、おそらく5年ぐらいで加茂湖のカキは事業としてはなくなる」
この工事をめぐり6月12日、佐渡市で開かれたのが県による漁業関係者への説明会です。
【漁師】
「(防災面から言っても)やっぱりもう1か所、水を逃がすための第2ゲートが必要だと思う」
加茂湖漁協は加茂湖への海水の流れを確保するため、延伸する予定の防波堤の一部を、海水を通す透過型にすることや加茂湖と外海を結ぶ新たな水路の整備などを要望していましたが、この日の説明会で県は「いずれも実施できない」と説明。
【漁師】
「ただ『できない、無理』というような短絡的な内容であった。非常に残念」
【漁師】
「できない理由ばかり述べるなら聞いている意味がない」
カキの養殖だけでなく、加茂湖の環境を守ろうと提出した要望に対して、代替案や具体的な根拠を示すことなく、県が実施できないと回答したことに漁協側は反発。
【加茂湖漁協 山本博文 組合長】
「建設的な話をお互いにして話がまとまるまでは、漁協としては工事をやってもらっては困る」
本来は6月にも工事に着工する予定でしたが、漁協側が「話がまとまるまでは工事の着工は認められない」と主張する事態に。
【県港湾整備課 櫻木大輔 課長補佐】
「各事業に限界はあるんでしょうけど、できることはないかということの検討は再度考えてみたい。できないものをできるという回答もなかなか難しいので…」
県は同意を得るためにデータを揃えるなどして再び説明会を開く考えですが、果たして理解を得られるのか…。
【加茂湖漁協 山本博文 組合長】
「少しでも漁場の環境を整えておかなければいけない。そういったことに関連した要望なので、理解をしていただきたい」
工事の着工が大幅に遅れる可能性が高くなっています。