埼玉県三芳町の産業廃棄物中間処理業者・石坂産業。
石坂産業と聞いて、所沢ダイオキシン問題を思い出す読者はどれくらいいるだろうか。1999年、所沢産の野菜からダイオキシンが検出されたという報道を受け、汚染源だと決めつけられ地域から大バッシングを受けた。取引先が次々と身を引き始め、社員の約4割が辞めた。父に代わり社長に就任したのが、当時30歳だった石坂社長。

地域から出ていけと言われ、社員には去られ、絶体絶命の状況に追い込まれながら、再生を果たし、現在の社員数は約200名。

会社のモットーは、資源をできるかぎりリサイクルすること。

マットの中のスプリングなど破砕しにくい部品も手作業で細かく破砕してリサイクルに回すなど、手間を惜しまない。環境教育にも力を入れていて会社近くの里山で幼稚園や学校の児童生徒への教育や企業研修を行っていて、いまでは年間6万人が訪れるほど成長したという。

そして、会社の女性比率も特徴の1つだ。

社員数220人のうち女性比率が37%。女性管理職比率は43%だ。20代から30代が43%を占める。若い人材と活力ある女性たちが会社を担っているのだ。

最近の取組としては、いま話題の太陽光パネルの廃棄問題について、専用のリサイクル工場を新設した。

最近では土壌の質を高めるために江戸時代の工法で基礎工事を行う現場に廃棄物を再生させた資材を提供する取り組みを始めた。
(執筆:sフジテレビ 社会部 大塚隆広)

TOP画像:広報もまた女性たちが担っている。広報マネージャーを努める敦賀由里香さん(右)と、水澤菜々歌(左)さん

大塚隆広
大塚隆広

フジテレビ報道局社会部
1995年フジテレビ入社。カメラマン、社会部記者として都庁を2年、国土交通省を計8年間担当。ベルリン支局長、国際取材部デスクなどを歴任。
ドキュメントシリーズ『環境クライシス』を企画・プロデュースも継続。第1弾の2017年「環境クライシス〜沈みゆく大陸の環境難民〜」は同年のCOP23(ドイツ・ボン)で上映。2022年には「第64次 南極地域観測隊」に同行し南極大陸に132日間滞在し取材を行う。