これから国を担う若者たちの目に、“福島”はどう映ったのか。国の新入職員が福島県にある中間貯蔵施設を訪れた。
■現状を知る
環境省の職員から「1軒1軒、少しずつ賛同いただいて土地をご提供いただいた。本当にそういった大変な思いを、ご負担をおかけして行っている事業だと」と説明を受けたのは、2025年4月に国の職員として採用された若者たち。
研修の一環として中間貯蔵施設を訪れ、東京ドーム11個分にも及ぶ「除染土」が運び込まれている施設の現状を見つめた。
新入職員は「この何倍もの土地が、元々は農地だったり住宅だったり。日常の暮らしが広がっていたことを、しっかり心にとどめておきたい」と語った。
■公務員としての覚悟
政府はこれまでに「除染土」の再生利用について、夏にも総理官邸で開始する方針を示している。「除染土」をめぐっては、放射能濃度の高い約4分の1について2045年3月までに福島県外で最終処分することが法律で定められている。そして、その残りが公共工事などでの再生利用となるが、受け入れ先の調整は難航している。
施設を見つめる若手職員の目にも、これからに向けた覚悟がにじむ。「一歩ずつ復興が進んでいると実感するとともに、まだまだ公務員として向き合っていかなければいけない課題があると実感した。福島の問題だけでなく、この問題は日本全体の問題だと感じているので、しっかり安全性を確かめた上で説明していって協力を仰ぎたい」と語った。
未来に残された大きな宿題。福島とともに、復興への歩みを前に進めてくれることに期待したい。