江田島市の温泉宿が、”本物の湯宿の証し”とされる「日本秘湯を守る会」に広島県で初めて加盟しました。

【江田島市民】
「気持ちがええ…あんたも入りんさい!」
Q:疲れはとれる?
「とれるとれる」
「海の塩水みたいな感じだけど、湯上がりはさっぱりしているから」

市民や宿泊客の心とからだを癒す江田島市の温泉…。
このたび“秘湯”として認められました。
江田島市が建設費用の一部を補助して4年前にオープンした温泉宿「江田島荘」。
「観光振興の拠点」として大きな期待がかかる中、去年10月には“ホテル業界のアカデミー賞”とも呼ばれる「ワールドラグジュアリーホテルアワード」を中国地方で初めて受賞。
そのブランドと知名度を着実に高めてきました。

そして、今回、新たに加わった勲章が…。

【江田島荘・阿部直樹総支配人】
「これは日本秘湯を守る会が必ず掲げなければいけないちょうちん」

「日本秘湯を守る会」とは、半世紀以上の歴史がある温泉宿の会員組織で様々な厳しい審査基準をクリアした宿のみが加盟を許されます。
全国に1万軒以上ある温泉宿のうち現在、加盟しているのは、わずか100軒あまりで、温泉愛好家の中では加盟している宿だけを選んで旅をする人もいるほど格式高いものです。

【江田島荘・阿部直樹総支配人】
「(専門家が調べると)非常に全国的にもまれな泉質で、しかも江田島の大地が作り出した温泉。これだけ素晴らしい温泉をぜひ私たちも一緒になって温泉文化を日本だけでなく世界に発信していくためには日本秘湯を守る会と一緒になることで、効果を最大限に発揮できるんじゃないかというところで秘湯を守る会との話が始まった」

一般的に「温泉」とは決められた19種類の成分が一つでも規定値に達していれば名乗れますが、地下1700メートルから湧き出る「えたじま温泉」は成分濃度が基準値のおよそ26倍。
その主成分が「塩化ナトリウム」ですが、ラドンも多く含みます。
そうした希少な泉質、市民を中心としたメンバーによるおもてなしなどが評価され今回の加盟となりました。

【えたじま温泉の常連・江田島市民】
Q:温泉で有名になるといい?
「有名になったらええね!そりゃ有名になったら人が増えるし…」

また、江田島市も…。

【江田島市】
「江田島市の観光拠点として整備した江田島荘が、本物の温泉宿としての評価をいただき大変誇りに思う。改めて江田島市の可能性を感じることができた。今後も地域一丸となって島の新たな価値の創造を進めていきたい」
と喜びのコメントをしています。

一方、江田島荘はえたじま温泉の魅力を文字で伝える冊子の作成やこれまでなかった「回数券」の販売をするほか、知るキッカケをひとつでも増やすため入浴剤を開発し、来週の発売を目指しています。

《スタジオ》
【記者の目:鈴木崇義ディレクター】
取材した鈴木記者によると、「えたじま温泉」の源泉は地下1700メートル、1億2千万年前の白亜紀の地層からきていて、そこに閉じ込められていた白亜紀に存在した古代の海水が湧き出している「化石海水型温泉」とも考えられていて、これを明らかにするには海外の研究機関での分析が必要ということで今後、そうした解明にも期待したい。ということです。

テレビ新広島
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